ヤマハのギターアンプF100-212の簡単なオーバーホール(その1) [音楽]
以前の記事で少し触れたヤマハのトランジスタ・ギターアンプF100-212は比較的状態の良い物を安く手に入れた。古い機種だから安かったとはいえ、1979年7月に発売された当時の最高機種である。
スタジオの常設アンプがローランドJC120になる前は何処もこのヤマハFシリーズを使っていたそうで、今も愛用しているプロギタリストも多いらしい。
# 本体を撮影する前にばらしちゃったんで、全体の画像は後続の記事に載せます。(滝汗)
このモデルは、以前に修理したF50-112の100W&2スピーカー版である。
本体上にあるネジ4本を抜くと、回路部全体が引き出せる。
電源ケーブルを見ると年号が「1994」とある。
この機種は1980年代後半で製造を終了しているので、1994年頃に一度メンテナンスされているのかも知れない。仮に1994年の時点でオーバーホールされていたとしても既に20年以上経っているので、電解コンデンサは問答無用で全交換、ボリウムポットもスイッチもばらせる物は全て分解清掃する。
まず、下側ヒートシンクに収められている基板から作業を始める。
パワーアンプ部(電力増幅部)は、先日オーバーホールしたF100-115Bと全く同じ。ギターの音はプリアンプ部で作り出していることになる。
新たに交換するコンデンサ(画像右)は古い方(画像左)よりも小さい。
交換し終わると、一寸だけスッキリした感じとなる。
次はシャーシ内部の電源回路部だ。
いつも利用しているお店にオーディオ用無極性電解コンデンサの在庫が無くて入手できなかった為、在庫があった物だけ先に交換した。
プリアンプAチャネル基板と、
プリアンプBチャネル及びイコライザ部の基板も交換できるコンデンサだけ先に交換した。
次はボリウム類を全て外す。
まずは面倒なスイッチ付ポットから始める。スイッチボックスのツメを起こして分解する。
スイッチ部の部品を抜くとボリウム部も外せる。
案の定、スイッチの接点はグリスまみれになっている。
ボリウムの軸に塗られていたグリスが劣化して緩くなり、毛細管現象で徐々に広がったと思われる。このままでも一応電気信号は通せるけれど、決して良い状態とは言えない。エレクトロニッククリーナーで油分を洗い流し、NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
スイッチの接点部品は小さいので作業がやり難い。
接点を折らないようにマイナス精密ドライバーでゆっくりと隙間を拡げてからNeverDullで磨く。
磨いたら元の位置に嵌め込む。
ボリウム側もグリスが回り込んでいる。
抵抗体側もスイッチと同様に作業したら奇麗になった。
摺動部は、エレクトロニッククリーナーを吹き付けても表面の汚れは取り切れていない。
更にNeverDullで磨くと奇麗になる。
全て奇麗になったら、元通り組み立てる。
次は普通のボリウム(画像左)だ。
軸と摺動部は圧入で固定されているので、これ以上分解できない。
よく見ると、やはり抵抗体の表面にグリスが載ってしまっている。
分解できないので、抵抗体が見える隙間からNeverDullで少しずつ回しながら磨く。
内側に摺動体の接点があるけれど、どうやっても届かないので残念だけど今回は作業せずに元通り組み立てる。ボリウム全てを作業したら、元の基板にハンダ付けする。
部品が全部揃っていない為、とりあえず作業はここまでで一旦休止。部品が届いたら作業を再開しよう。
(続く)
スタジオの常設アンプがローランドJC120になる前は何処もこのヤマハFシリーズを使っていたそうで、今も愛用しているプロギタリストも多いらしい。
# 本体を撮影する前にばらしちゃったんで、全体の画像は後続の記事に載せます。(滝汗)
このモデルは、以前に修理したF50-112の100W&2スピーカー版である。
本体上にあるネジ4本を抜くと、回路部全体が引き出せる。
電源ケーブルを見ると年号が「1994」とある。
この機種は1980年代後半で製造を終了しているので、1994年頃に一度メンテナンスされているのかも知れない。仮に1994年の時点でオーバーホールされていたとしても既に20年以上経っているので、電解コンデンサは問答無用で全交換、ボリウムポットもスイッチもばらせる物は全て分解清掃する。
まず、下側ヒートシンクに収められている基板から作業を始める。
パワーアンプ部(電力増幅部)は、先日オーバーホールしたF100-115Bと全く同じ。ギターの音はプリアンプ部で作り出していることになる。
新たに交換するコンデンサ(画像右)は古い方(画像左)よりも小さい。
交換し終わると、一寸だけスッキリした感じとなる。
次はシャーシ内部の電源回路部だ。
いつも利用しているお店にオーディオ用無極性電解コンデンサの在庫が無くて入手できなかった為、在庫があった物だけ先に交換した。
プリアンプAチャネル基板と、
プリアンプBチャネル及びイコライザ部の基板も交換できるコンデンサだけ先に交換した。
次はボリウム類を全て外す。
まずは面倒なスイッチ付ポットから始める。スイッチボックスのツメを起こして分解する。
スイッチ部の部品を抜くとボリウム部も外せる。
案の定、スイッチの接点はグリスまみれになっている。
ボリウムの軸に塗られていたグリスが劣化して緩くなり、毛細管現象で徐々に広がったと思われる。このままでも一応電気信号は通せるけれど、決して良い状態とは言えない。エレクトロニッククリーナーで油分を洗い流し、NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
スイッチの接点部品は小さいので作業がやり難い。
接点を折らないようにマイナス精密ドライバーでゆっくりと隙間を拡げてからNeverDullで磨く。
磨いたら元の位置に嵌め込む。
ボリウム側もグリスが回り込んでいる。
抵抗体側もスイッチと同様に作業したら奇麗になった。
摺動部は、エレクトロニッククリーナーを吹き付けても表面の汚れは取り切れていない。
更にNeverDullで磨くと奇麗になる。
全て奇麗になったら、元通り組み立てる。
次は普通のボリウム(画像左)だ。
軸と摺動部は圧入で固定されているので、これ以上分解できない。
よく見ると、やはり抵抗体の表面にグリスが載ってしまっている。
分解できないので、抵抗体が見える隙間からNeverDullで少しずつ回しながら磨く。
内側に摺動体の接点があるけれど、どうやっても届かないので残念だけど今回は作業せずに元通り組み立てる。ボリウム全てを作業したら、元の基板にハンダ付けする。
部品が全部揃っていない為、とりあえず作業はここまでで一旦休止。部品が届いたら作業を再開しよう。
(続く)
グレコLS-120CSのレストア(その2) [音楽]
(前回からの続き)
断線しているリアピックアップの代わりを探していたら、良さそうなピックアップが中古で出ていたので早速手に入れた。
「YAMAHA SELECT by EMG」とある。
EMGは米国の会社だが、生産は韓国らしい。
ピックアップから出ている線は3本で、全体の直流抵抗は8.4KΩ。
一般的なリア用ハムバッカーの値と同じだ。コイルタップ用配線の抵抗値は半分だ。
サイズを比べて見ると、縦・横は殆ど同じ。
横から見ると、ピックアップを支える金具の高さが違う。
LS-120CRSに付いていたエスカッションに取り付けても、サイズに違和感は無い。
死んでいるピックアップをYAMAHAのエスカッションに取り付けてみたら、金具の位置の違いがそのまま出た。
エスカッションはピックアップによって微妙に穴の位置が違うので、古いのがそのまま使えるのはとても有り難い。ただ、元々付いていた金色のネジは少し太くて入らないので、ピックアップ付属の物を使う。恐らくインチ規格とミリ規格の違いだろうね。
こんなに早くピックアップが手に入るとは思っていなかったので、ギター本体側の作業は殆ど進んでいない。こりゃぁまじめに取り掛からなきゃ...ね...。(笑)
断線しているリアピックアップの代わりを探していたら、良さそうなピックアップが中古で出ていたので早速手に入れた。
「YAMAHA SELECT by EMG」とある。
EMGは米国の会社だが、生産は韓国らしい。
ピックアップから出ている線は3本で、全体の直流抵抗は8.4KΩ。
一般的なリア用ハムバッカーの値と同じだ。コイルタップ用配線の抵抗値は半分だ。
サイズを比べて見ると、縦・横は殆ど同じ。
横から見ると、ピックアップを支える金具の高さが違う。
LS-120CRSに付いていたエスカッションに取り付けても、サイズに違和感は無い。
死んでいるピックアップをYAMAHAのエスカッションに取り付けてみたら、金具の位置の違いがそのまま出た。
エスカッションはピックアップによって微妙に穴の位置が違うので、古いのがそのまま使えるのはとても有り難い。ただ、元々付いていた金色のネジは少し太くて入らないので、ピックアップ付属の物を使う。恐らくインチ規格とミリ規格の違いだろうね。
こんなに早くピックアップが手に入るとは思っていなかったので、ギター本体側の作業は殆ど進んでいない。こりゃぁまじめに取り掛からなきゃ...ね...。(笑)
グレコLS-120CSのレストア(その1) [音楽]
少し前に我が家にやって来たGreco(グレコ)のL-5Sコピーモデル、LS-120CRS。
片方のピックアップから音が出ない状態だったので格安で入手できた。
1988年当時、楽器店で見せて貰ったグレコのカタログでこのモデルの存在を知ったが当時の定価は12万円!、とてもじゃないけど買えるような金額では無かったら「ふーん、L-5Sの忠実コピーモデルを作ったんだ...」という程度にしか感じなかった。
時が流れてベースだけでなく(弾けないくせに)ギターにも興味を持つようになり、一時はオークションにはまり込んで自分の部屋に30本以上のエレキギターが並ぶほどになった。その頃は同時進行でカメラ機材も極端に増殖していて、レンズ100本近くにボディが十数台という状態だった。
当時は残業に次ぐ残業、今でいう「ブラック」な職場環境で土日の休みは睡眠不足を取り戻すのが精一杯。知らず知らずのうちにストレスを溜めていて、それでギターやらカメラやらを買い漁っていたように思う。今持っている本家GibsonのグリーンカラーLesPaulもこの時期に手に入れた。L-5Sも欲しくて探し回ったけれど、本家Gibsonは中古が殆ど出て来ず、出て来ても凄まじい金額で手を出せない。結局入手できないままになっていた。
買い漁り始めて7年ほどの間に物を置く場所どころか自分の部屋の中を歩くのも難しいという状態となっていった。部屋の中は段ボールやらカメラやらギターやらベースやらがあちこちに立てかけてあったり並べてあったりで、窓際に置いてある机と部屋のドアを結ぶ細い隙間を、何かを踏まないように注意しながら歩いて進むのがやっとという有様。そんな時、阪神大震災が起きた。
震災当時の自宅は震度4、幸いギターを始めとする音楽機材やカメラ機材に被害は無かったけれど、「もし自宅が激しく揺れていたら?」と考えると空恐ろしくなった。
震災を機に改めて自分に本当に必要な物は何か?と見つめ直し、「今後使うかも知れない」という物も含めて使わない機材は全て手放した。苦労して手に入れた物ばかりだから断ち切れぬ思いは計り知れなかったが、「使われないまま放置されるのは不幸だ!」と自分に言い聞かせ、後ろ髪を引かれつつも全て売り払った。
長い間殆ど忘れていたけれど、数年前に海外のオークションでLS-120CRSを見かけて以来、再び気になっていった。本家レスポールは手元に残したけれど、それでもL-5Sが気になる。「ボディもネックも全てメイプルってどんな音?」という単純な疑問と、そのルックスに惹かれていたのである。
そんな時、「問題有り」でオークションにコイツが出て来たのである。
ピックアップの一つ死んでいる為か応札者は意外に少なく、十分納得できる金額で目出たく落札となった。大雑把な仕様は以下の通り。
ヘッドのインレイはフラワーポットだが、本家Gibsonとは少々異なる。
ヘッド裏を見るとシリアル番号が刻印されている。
シリアル番号の読み方のサイトに書かれた情報から読み解くと「1988年9月の2667番目に製造されたギター」となる。
ネックはほぼ真っすぐだが、フィンガーボードもフレットも汚れている。
ネックはメイプル3ピースで、勿論セットネックだ。
メイプルは重い木材だからか、ボディの厚みはLesPaulの半分ほどしかない。
ボディはオールメイプル。まだ杢目には無頓着な時代のギターだが、奇麗に揃った杢目が出ている。
ボディバックの座繰りはメイプル材の蓋になっている。
カーブに合わせて蓋も削ってあって、手の込んだ作りになっている。
張ってあった弦は酷く錆びていた。
保管状態は決して良くは無かったようだ。
弦を外してフレットをコンパウンドで磨く。画像左が磨く前、右が磨いた後だ。
古びている割には窪みや傷などは見当たらないので、激しい使い方はされていななかったらしい。全部のフレットを磨いたら、一寸奇麗になった。
フィンガーボードをレモンオイルで掃除する。
一ヶ所に付き最低でも7回ほど掃除しないと黒い汚れが布切れに付いてくるほど酷く汚れていた。
ヘッド部も汚れが溜まっている。
ペグを外す。
レモンオイルで掃除すると、少し奇麗になった。
外したペグは、全体的に錆びが多い。
試しにマイナスドライバーで錆を落としてみた(画像右)が、苦労した割には奇麗にならない。
ツマミの頭も少し錆びている。
ブリッジも金色の塗装が薄くなっている。リアピックアップカバーも、錆をマイナスドライバーで落としてもこんな状態だ。
ブリッジ裏側には「L5.S」とモデル名が入っている。
テールピースも半分錆を落としたが、ご覧の通り状態は決して良くない。
外して見たら、真ん中の十字状の部品はネジ止めされていた。
座繰りの内部は一般的な回路になっている。
よく見ると、リアピックアップ用トーン回路のコンデンサは足が千切れている。
トーンボリウムの固定が甘くて少し回ってしまうので、恐らくトーンを回した時に引っ張られて千切れたんだろう。
フロントピックアップを固定するエスカッションのネジは長さが違う。
ピックアップの直流抵抗値は7.33kΩ、出力を稼いでいない一般的なハムバッカーの値になっている。
リアピックアップのエスカッション固定ネジは全て同じ長さ。
リアは抵抗値を測定しても無限大。
内部で断線しているようだ。これでは音は出ない。更に分解してみる。ピックアップカバーを固定するハンダ付けを緩めて大半を吸い取り、取り切れない分はカッターナイフで切った。
外すと内部はロウまみれ。
コイルボビンを単体でロウ漬けするのではなく、ピックアップ組み立て後にロウ漬けしていたようだ。
コイル二つは配線で繋いでハムバッカーにしてある。
片方のコイルは生きているけれど、
もう一方は断線している。
配線をあちこちチェックしたけれど、やはり内部で断線しているようだ。これでは修理は不可能、諦めて他のピックアップを取り付ける他無い。DRYピックアップはオークションにはなかなか出てこないし、出て来ても結構なお値段になってしまう。とりあえずはオリジナルに拘らず、直流抵抗値が8kΩ辺りの物を探すことにする。
全体的に木部には傷が多いけれど、あまり汚れていない。しかし、金属部分は金色のメッキ部の劣化が激しくて、放置すれば更に進行してしまいそう。NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと金色塗装が剥げてしまうが、そうしないと錆は落とせない。下手すりゃ部品は再メッキとなるかも知れない。こいつぁ手強いぞ...。
(続く)
片方のピックアップから音が出ない状態だったので格安で入手できた。
1988年当時、楽器店で見せて貰ったグレコのカタログでこのモデルの存在を知ったが当時の定価は12万円!、とてもじゃないけど買えるような金額では無かったら「ふーん、L-5Sの忠実コピーモデルを作ったんだ...」という程度にしか感じなかった。
時が流れてベースだけでなく(弾けないくせに)ギターにも興味を持つようになり、一時はオークションにはまり込んで自分の部屋に30本以上のエレキギターが並ぶほどになった。その頃は同時進行でカメラ機材も極端に増殖していて、レンズ100本近くにボディが十数台という状態だった。
当時は残業に次ぐ残業、今でいう「ブラック」な職場環境で土日の休みは睡眠不足を取り戻すのが精一杯。知らず知らずのうちにストレスを溜めていて、それでギターやらカメラやらを買い漁っていたように思う。今持っている本家GibsonのグリーンカラーLesPaulもこの時期に手に入れた。L-5Sも欲しくて探し回ったけれど、本家Gibsonは中古が殆ど出て来ず、出て来ても凄まじい金額で手を出せない。結局入手できないままになっていた。
買い漁り始めて7年ほどの間に物を置く場所どころか自分の部屋の中を歩くのも難しいという状態となっていった。部屋の中は段ボールやらカメラやらギターやらベースやらがあちこちに立てかけてあったり並べてあったりで、窓際に置いてある机と部屋のドアを結ぶ細い隙間を、何かを踏まないように注意しながら歩いて進むのがやっとという有様。そんな時、阪神大震災が起きた。
震災当時の自宅は震度4、幸いギターを始めとする音楽機材やカメラ機材に被害は無かったけれど、「もし自宅が激しく揺れていたら?」と考えると空恐ろしくなった。
震災を機に改めて自分に本当に必要な物は何か?と見つめ直し、「今後使うかも知れない」という物も含めて使わない機材は全て手放した。苦労して手に入れた物ばかりだから断ち切れぬ思いは計り知れなかったが、「使われないまま放置されるのは不幸だ!」と自分に言い聞かせ、後ろ髪を引かれつつも全て売り払った。
長い間殆ど忘れていたけれど、数年前に海外のオークションでLS-120CRSを見かけて以来、再び気になっていった。本家レスポールは手元に残したけれど、それでもL-5Sが気になる。「ボディもネックも全てメイプルってどんな音?」という単純な疑問と、そのルックスに惹かれていたのである。
そんな時、「問題有り」でオークションにコイツが出て来たのである。
ピックアップの一つ死んでいる為か応札者は意外に少なく、十分納得できる金額で目出たく落札となった。大雑把な仕様は以下の通り。
モデル名 | LS-120CRS(チェリーサンバーストの略?) |
---|---|
生産時期 | 1988年 |
ボディ材 | トップ:メイプル2ピース センター:メイプル2ピース バック:メイプル2ピース |
ネック材 | メイプル3ピース |
指板材 | エボニー |
フレット数 | 22 |
ネックジョイント | セットネック |
ピックアップ | Greco Dry×2 |
ピックアップ構成 | HH |
ヘッドのインレイはフラワーポットだが、本家Gibsonとは少々異なる。
ヘッド裏を見るとシリアル番号が刻印されている。
シリアル番号の読み方のサイトに書かれた情報から読み解くと「1988年9月の2667番目に製造されたギター」となる。
ネックはほぼ真っすぐだが、フィンガーボードもフレットも汚れている。
ネックはメイプル3ピースで、勿論セットネックだ。
メイプルは重い木材だからか、ボディの厚みはLesPaulの半分ほどしかない。
ボディはオールメイプル。まだ杢目には無頓着な時代のギターだが、奇麗に揃った杢目が出ている。
ボディバックの座繰りはメイプル材の蓋になっている。
カーブに合わせて蓋も削ってあって、手の込んだ作りになっている。
張ってあった弦は酷く錆びていた。
保管状態は決して良くは無かったようだ。
弦を外してフレットをコンパウンドで磨く。画像左が磨く前、右が磨いた後だ。
古びている割には窪みや傷などは見当たらないので、激しい使い方はされていななかったらしい。全部のフレットを磨いたら、一寸奇麗になった。
フィンガーボードをレモンオイルで掃除する。
一ヶ所に付き最低でも7回ほど掃除しないと黒い汚れが布切れに付いてくるほど酷く汚れていた。
ヘッド部も汚れが溜まっている。
ペグを外す。
レモンオイルで掃除すると、少し奇麗になった。
外したペグは、全体的に錆びが多い。
試しにマイナスドライバーで錆を落としてみた(画像右)が、苦労した割には奇麗にならない。
ツマミの頭も少し錆びている。
ブリッジも金色の塗装が薄くなっている。リアピックアップカバーも、錆をマイナスドライバーで落としてもこんな状態だ。
ブリッジ裏側には「L5.S」とモデル名が入っている。
テールピースも半分錆を落としたが、ご覧の通り状態は決して良くない。
外して見たら、真ん中の十字状の部品はネジ止めされていた。
座繰りの内部は一般的な回路になっている。
よく見ると、リアピックアップ用トーン回路のコンデンサは足が千切れている。
トーンボリウムの固定が甘くて少し回ってしまうので、恐らくトーンを回した時に引っ張られて千切れたんだろう。
フロントピックアップを固定するエスカッションのネジは長さが違う。
ピックアップの直流抵抗値は7.33kΩ、出力を稼いでいない一般的なハムバッカーの値になっている。
リアピックアップのエスカッション固定ネジは全て同じ長さ。
リアは抵抗値を測定しても無限大。
内部で断線しているようだ。これでは音は出ない。更に分解してみる。ピックアップカバーを固定するハンダ付けを緩めて大半を吸い取り、取り切れない分はカッターナイフで切った。
外すと内部はロウまみれ。
コイルボビンを単体でロウ漬けするのではなく、ピックアップ組み立て後にロウ漬けしていたようだ。
コイル二つは配線で繋いでハムバッカーにしてある。
片方のコイルは生きているけれど、
もう一方は断線している。
配線をあちこちチェックしたけれど、やはり内部で断線しているようだ。これでは修理は不可能、諦めて他のピックアップを取り付ける他無い。DRYピックアップはオークションにはなかなか出てこないし、出て来ても結構なお値段になってしまう。とりあえずはオリジナルに拘らず、直流抵抗値が8kΩ辺りの物を探すことにする。
全体的に木部には傷が多いけれど、あまり汚れていない。しかし、金属部分は金色のメッキ部の劣化が激しくて、放置すれば更に進行してしまいそう。NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと金色塗装が剥げてしまうが、そうしないと錆は落とせない。下手すりゃ部品は再メッキとなるかも知れない。こいつぁ手強いぞ...。
(続く)
ヤマハのベースアンプF110-115Bの簡単なオーバーホール [音楽]
格安で入手したベースアンプ・ヤマハF100-115Bは、2年ほど前に我が家にやって来た。
スピーカは15インチ(38cm)が一つ、バスレフ型エンクロージャーに収まっている。シンプルな構造で、出てくる音も素直だ。1980年のカタログにも載っている当時の最高機種で、今でもあちこちのスタジオなどで現役で使われている。
手に入れた時点で状態が非常に良く、あえて何もメンテナンスしていなかったが、最近になって子供が「高音域が出難い」と言うようになった。製造から既に40年近く経過しており、電解コンデンサ類は交換時期を過ぎているものの、音を聞いてもノイズフロアはそんなに高くないのでトランジスタ類の交換は必要なさそうだ。
BOSE1702等、他のと一緒に交換用コンデンサを仕入れたので、部品が全部揃ってから作業を始めた。
本体上にあるネジ全てを外してスピーカの線を抜き、パネル毎後ろに引くと、回路の部分がすっぽり抜ける。
卓ライン取り用のXLRアウトはトランスが使われている。
今時の機材はお手軽に電子回路で組んであるものばかりだが、
# だからコールドとグランドのショートといった思いもよらぬトラブルも多かったりするらしい。
こちらは随分とお金を掛けている。流石トップの機種だけの事はある。
まず電源回路から作業する。交換するコンデンサは2個だけだ。
外したコンデンサ(画像左)と新しく取り付けるコンデンサ(画像右)は大きさがかなり違う。
古いコンデンサを自作の簡易ESRメータで測ると、値は十分に低く問題無い。
しかし、一つは液漏れを起こした痕があった。
交換したら一寸あっけない感じになった。
次はプリアンプ部だ。
古いコンデンサを片っ端から外す。外したら、基板側に液漏れの痕が残っていた。
外したコンデンサは、どれもESR値はそんなに悪くない。
しかし、コンデンサの頭を見ると透明な樹脂状の物が盛り上がっている。
液漏れしてそのまま固まったらしい。
古いコンデンサ(画像左の列)と新しい方(画像右の列)では、全体的に新しい方が小さい。
個数は多くないので、作業は短時間で終わった。
次はヒートシンク(放熱器)に取り付けられているパワーアンプ部だ。
パワー部だけに耐電圧の高いコンデンサが多いが、やはり新しい方(画像右の列)が小さい。
一部のコンデンサはESR当た値が少し高めだった。
こちらも数は少ないので、交換には大して時間はかからない。
プリアンプ部と接続するピンもNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。
交換の最後は、大きなブロックコンデンサだ。配線は内側にある。
古いコンデンサ(画像左)は「ブロック」というだけあって、とても大きい。
固定バンドは当然ブロックコンデンサに合わせてあるので、新しいコンデンサだとやや大き過ぎる。
バンドを少し曲げて収まるようにした。交換後はだいぶスッキリした。
序でにボリウムも外す。
ボリウムのケースを外す。
摺動抵抗部全体を覆うような形状の白い樹脂部品の下に電極がある構造で、しかもカシメてある。素人では分解できない。樹脂部品の僅かな切れ目から見ると、摺動抵抗部には軸を潤滑しているグリスが流れ込んでいた。
このまま放置すれば、遅かれ早かれいずれはガリが出てしまう。なので、その切れ目から少しずつNeverDullで全周を磨いた。
クリック付きのボリウムは、イコライザの部分にだけ使われている。
分解すると、ケースに小さな穴を開けて、そこに軽くハマるように金具が取り付けられているけれど、基本的な構造はクリック無しと全く同じだ。
こちらも同様に全周を拭き取った。
外したツマミは結構汚れている。
古歯ブラシと石鹸でゴシゴシ洗ったら奇麗になった。
入手時から一つだけツマミの頭が取れてなくなっているので、有り合わせの材料でテキトーに直す。
エリクサーの弦が入っていた厚紙ケースを丸く切り抜いてボンドを塗り、食べ終わったチョコパイの袋も丸く切って貼り合わせれば出来上がりだ。
チョコパイの袋の内側は艶があって、他のツマミとは見た目がだいぶ違うけれど、まぁ気にしない事にする。(笑)
古い物だけに、パネル表面も結構汚れている。
石鹸だけでは取り切れないので、マルチクリーナーを使ったら奇麗になった。
念の為にパネル全体にユニコーンのカークリームを薄く塗り広げて乾拭きした。
これで作業は完了である。
確認の為、モニタースピーカJSP-2020に接続して動作を確かめた。古いアンプだけど、今でも非常に良い音を奏でる。低域から高域まで、どこかを誇張する事なく素直に音が出て来る。ハーモニクス和音も美しい。今でも現役で使われている理由は、この音の良さだと思う。
序でに、練習用ヘッドフォンアンプとして使っているPhilJonesBassのBass BuddyとBOSE1702の組み合わせと、DBXのD.I.ボックスdB10とBOSE1702の組み合わせでも音を出して比べて見た。
使ったベースはAtransia(アトランシア)のStealth6(フレッテッド6弦)である。
Bass BuddyとBOSEの組み合わせだけを聞いていれば確かに良い音なのだが、F100-115Bの重心の低い低音を聞いてしまうと中低域を少し持ち上げただけのような印象になってしまう。具体的には、Low-Bの弦になるとBass Buddyだと持ち上げてある帯域から外れて僅かに弱くなるような感じなのに対して、F100-115Bはそのまま素直に出てくる感じだ。グライコは自分が望む中心周波数とは一寸ずれているようで、幾ら調整してもF100-115Bのような素直な低域にはならなかった。
dB10とBOSEの組み合わせは、昔ラジカセに直接突っ込んで出していた音にソックリ。(笑)
# 楽器買うのが精一杯でアンプが買えず、ラジカセに突っ込んでた人って多いんでは?(^^;
Bass Buddyよりも中低域から低域までをほんの少し控え目にしたような感じ。dB10は電源不要のパッシブだからか音量はかなり小さく、BOSE1702をフル・ボリウムにしても大した音量にはならない。スタジオとかで使うのなら、+20dB程度のプリアンプが必要だ。
元のキャビネットに収めて音を出したが、高音部の不足は感じられなかった。出力側コンデンサの劣化で高域が出なくなっていたようだ。
これで安心して使い続けられそうだ。
スピーカは15インチ(38cm)が一つ、バスレフ型エンクロージャーに収まっている。シンプルな構造で、出てくる音も素直だ。1980年のカタログにも載っている当時の最高機種で、今でもあちこちのスタジオなどで現役で使われている。
手に入れた時点で状態が非常に良く、あえて何もメンテナンスしていなかったが、最近になって子供が「高音域が出難い」と言うようになった。製造から既に40年近く経過しており、電解コンデンサ類は交換時期を過ぎているものの、音を聞いてもノイズフロアはそんなに高くないのでトランジスタ類の交換は必要なさそうだ。
BOSE1702等、他のと一緒に交換用コンデンサを仕入れたので、部品が全部揃ってから作業を始めた。
本体上にあるネジ全てを外してスピーカの線を抜き、パネル毎後ろに引くと、回路の部分がすっぽり抜ける。
卓ライン取り用のXLRアウトはトランスが使われている。
今時の機材はお手軽に電子回路で組んであるものばかりだが、
# だからコールドとグランドのショートといった思いもよらぬトラブルも多かったりするらしい。
こちらは随分とお金を掛けている。流石トップの機種だけの事はある。
まず電源回路から作業する。交換するコンデンサは2個だけだ。
外したコンデンサ(画像左)と新しく取り付けるコンデンサ(画像右)は大きさがかなり違う。
古いコンデンサを自作の簡易ESRメータで測ると、値は十分に低く問題無い。
しかし、一つは液漏れを起こした痕があった。
交換したら一寸あっけない感じになった。
次はプリアンプ部だ。
古いコンデンサを片っ端から外す。外したら、基板側に液漏れの痕が残っていた。
外したコンデンサは、どれもESR値はそんなに悪くない。
しかし、コンデンサの頭を見ると透明な樹脂状の物が盛り上がっている。
液漏れしてそのまま固まったらしい。
古いコンデンサ(画像左の列)と新しい方(画像右の列)では、全体的に新しい方が小さい。
個数は多くないので、作業は短時間で終わった。
次はヒートシンク(放熱器)に取り付けられているパワーアンプ部だ。
パワー部だけに耐電圧の高いコンデンサが多いが、やはり新しい方(画像右の列)が小さい。
一部のコンデンサはESR当た値が少し高めだった。
こちらも数は少ないので、交換には大して時間はかからない。
プリアンプ部と接続するピンもNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。
交換の最後は、大きなブロックコンデンサだ。配線は内側にある。
古いコンデンサ(画像左)は「ブロック」というだけあって、とても大きい。
固定バンドは当然ブロックコンデンサに合わせてあるので、新しいコンデンサだとやや大き過ぎる。
バンドを少し曲げて収まるようにした。交換後はだいぶスッキリした。
序でにボリウムも外す。
ボリウムのケースを外す。
摺動抵抗部全体を覆うような形状の白い樹脂部品の下に電極がある構造で、しかもカシメてある。素人では分解できない。樹脂部品の僅かな切れ目から見ると、摺動抵抗部には軸を潤滑しているグリスが流れ込んでいた。
このまま放置すれば、遅かれ早かれいずれはガリが出てしまう。なので、その切れ目から少しずつNeverDullで全周を磨いた。
クリック付きのボリウムは、イコライザの部分にだけ使われている。
分解すると、ケースに小さな穴を開けて、そこに軽くハマるように金具が取り付けられているけれど、基本的な構造はクリック無しと全く同じだ。
こちらも同様に全周を拭き取った。
外したツマミは結構汚れている。
古歯ブラシと石鹸でゴシゴシ洗ったら奇麗になった。
入手時から一つだけツマミの頭が取れてなくなっているので、有り合わせの材料でテキトーに直す。
エリクサーの弦が入っていた厚紙ケースを丸く切り抜いてボンドを塗り、食べ終わったチョコパイの袋も丸く切って貼り合わせれば出来上がりだ。
チョコパイの袋の内側は艶があって、他のツマミとは見た目がだいぶ違うけれど、まぁ気にしない事にする。(笑)
古い物だけに、パネル表面も結構汚れている。
石鹸だけでは取り切れないので、マルチクリーナーを使ったら奇麗になった。
念の為にパネル全体にユニコーンのカークリームを薄く塗り広げて乾拭きした。
これで作業は完了である。
確認の為、モニタースピーカJSP-2020に接続して動作を確かめた。古いアンプだけど、今でも非常に良い音を奏でる。低域から高域まで、どこかを誇張する事なく素直に音が出て来る。ハーモニクス和音も美しい。今でも現役で使われている理由は、この音の良さだと思う。
序でに、練習用ヘッドフォンアンプとして使っているPhilJonesBassのBass BuddyとBOSE1702の組み合わせと、DBXのD.I.ボックスdB10とBOSE1702の組み合わせでも音を出して比べて見た。
使ったベースはAtransia(アトランシア)のStealth6(フレッテッド6弦)である。
Bass BuddyとBOSEの組み合わせだけを聞いていれば確かに良い音なのだが、F100-115Bの重心の低い低音を聞いてしまうと中低域を少し持ち上げただけのような印象になってしまう。具体的には、Low-Bの弦になるとBass Buddyだと持ち上げてある帯域から外れて僅かに弱くなるような感じなのに対して、F100-115Bはそのまま素直に出てくる感じだ。グライコは自分が望む中心周波数とは一寸ずれているようで、幾ら調整してもF100-115Bのような素直な低域にはならなかった。
dB10とBOSEの組み合わせは、昔ラジカセに直接突っ込んで出していた音にソックリ。(笑)
# 楽器買うのが精一杯でアンプが買えず、ラジカセに突っ込んでた人って多いんでは?(^^;
Bass Buddyよりも中低域から低域までをほんの少し控え目にしたような感じ。dB10は電源不要のパッシブだからか音量はかなり小さく、BOSE1702をフル・ボリウムにしても大した音量にはならない。スタジオとかで使うのなら、+20dB程度のプリアンプが必要だ。
元のキャビネットに収めて音を出したが、高音部の不足は感じられなかった。出力側コンデンサの劣化で高域が出なくなっていたようだ。
これで安心して使い続けられそうだ。
修理品が一杯! [音楽]
このところ、修理待ちの物が増えて一寸収集が付かなくなりつつある。まず、T.C.electronicのM350だ。
問題有りで格安で入手したリバーブ・エフェクト・プロセッサだ。レコーディングに無関係な方々には「何それ?」と言われてしまうと思うけれど、今時の音楽でリバーブを掛けていない曲は皆無と断言できるほど普通に使われている機材の一つである。
この個体はレコーディングスタジオで使われていたらしいが、酷使されたようで一寸機材を傾けるだけでツマミが重力に逆らえずに落ちてしまう。
これでは機材を移動する度に取れてしまうので、非常にストレスが溜まる。そこで、初めは「ネジ止め剤(緩み止め)を塗れば良いんじゃない?」と考えていた。
ところが、このツマミは内部の突起だけで支える構造になっている。
しかし、ネジ止め剤は密着して空気に触れない状態になって初めて硬化するので、今回のような構造だと密着しないので、塗っても硬化しない。
そこで、後々修理で分解することも考えて、マスキングテープを巻いて軸の厚みを増やして固定することに。
これで上手く固定できた。
次は、子供が普段使っているヘッドフォン(bayerdynamicのDT770M)である。
子供曰く「微妙に低音が削れる」と言う。「そんな馬鹿な!?」と思いながら自分が普段モニタリングで使っている機材で鳴らして見ると「うん、確かに低音が一寸削れてるなぁ」と。
このヘッドフォンに限らず、この手の機材は長時間使っているとハンダ付けの部分が微妙に抵抗値が増えて音が変わってしまうなんてことが良くある。そこで、早速プラグの部分をチェックする。
このヘッドフォンは2年ほど前にプラグを付け替えているから、そろそろ微妙に抵抗値が上がって来てもおかしくない。具体的には、ハンダ付け部分の抵抗値が0.2Ωから数Ωほど増えてくると、モロに音にも影響してくる。早速分解してハンダ付けをやり直した。
これでOKだ。
次は、格安で入手できたBOSEのモノラルパワーアンプMODEL1702のセットだ。
ライブハウスかどこかで酷使されていた物のようで、全体にタバコのヤニか油のような茶色のネチャネチャした物で覆われている。片方は動作が正常だが、もう片方は全くの不動である。何故かボリュームのツマミも紛失している。
製品の製造年を考えると、また、酷使されてきたらしい経過を考えると、恐らく電解コンデンサ類は寿命を迎えている筈なので、問答無用で全交換だろう。それには、一旦筐体をバラシて内部基板を確認しなければならない。
更に、スタジオルームとして使っている部屋に置いてあるヤマハのアンプ類も、子供に言わせると「ハイが抜けてこない」と。具体的には昭和の頃に販売されていたトランジスタ・ギターアンプF100-212と、同じくトランジスタのベースアンプF100-115Bである。
2つ共、格安の中古として、かなり前に我が家にやって来た物。どちらもスタジオで使われていたようだ。こちらも製造から30年以上経過しているので、劣化し易い電解コンデンサは全交換が必要だろうなぁ。
他にも、子供が使っている機材も「高音が抜けない」という問題を抱えている。
手前はYAMAHAのDX7、上の右がRolandのJP-8000、上の左がRolandのD-20である。こちらも製造年から部品交換が必要だが、それ以外にも「片方の出力が低い」などの不具合を抱えている為、単純に電解コンデンサを交換してお終いという訳には行きそうもない。どれも基板上の部品を確認しながら作業を進めることになりそうなので、結構時間が掛かりそうだ。
よりによって、花粉が飛び始めてこれからクシャミと涙との闘いが始まるという時期に差し掛かろうとしている。
拙者は、今のところスギ花粉にはあまり反応しないから軽症で済んでいるけれど、今年もそういう状態で過ごせるという保証は何処にも無い。花粉症の症状が出る前に片付けたいとは思うけれど、果たしてそんなに上手く行くかどうか...???
いずれにしろ、自分への忘備録も兼ねて、どの機材も修理の過程はこちらに記事として掲載する予定である。それにしても、数が多いよなー...。
問題有りで格安で入手したリバーブ・エフェクト・プロセッサだ。レコーディングに無関係な方々には「何それ?」と言われてしまうと思うけれど、今時の音楽でリバーブを掛けていない曲は皆無と断言できるほど普通に使われている機材の一つである。
この個体はレコーディングスタジオで使われていたらしいが、酷使されたようで一寸機材を傾けるだけでツマミが重力に逆らえずに落ちてしまう。
これでは機材を移動する度に取れてしまうので、非常にストレスが溜まる。そこで、初めは「ネジ止め剤(緩み止め)を塗れば良いんじゃない?」と考えていた。
ところが、このツマミは内部の突起だけで支える構造になっている。
しかし、ネジ止め剤は密着して空気に触れない状態になって初めて硬化するので、今回のような構造だと密着しないので、塗っても硬化しない。
そこで、後々修理で分解することも考えて、マスキングテープを巻いて軸の厚みを増やして固定することに。
これで上手く固定できた。
次は、子供が普段使っているヘッドフォン(bayerdynamicのDT770M)である。
子供曰く「微妙に低音が削れる」と言う。「そんな馬鹿な!?」と思いながら自分が普段モニタリングで使っている機材で鳴らして見ると「うん、確かに低音が一寸削れてるなぁ」と。
このヘッドフォンに限らず、この手の機材は長時間使っているとハンダ付けの部分が微妙に抵抗値が増えて音が変わってしまうなんてことが良くある。そこで、早速プラグの部分をチェックする。
このヘッドフォンは2年ほど前にプラグを付け替えているから、そろそろ微妙に抵抗値が上がって来てもおかしくない。具体的には、ハンダ付け部分の抵抗値が0.2Ωから数Ωほど増えてくると、モロに音にも影響してくる。早速分解してハンダ付けをやり直した。
これでOKだ。
次は、格安で入手できたBOSEのモノラルパワーアンプMODEL1702のセットだ。
ライブハウスかどこかで酷使されていた物のようで、全体にタバコのヤニか油のような茶色のネチャネチャした物で覆われている。片方は動作が正常だが、もう片方は全くの不動である。何故かボリュームのツマミも紛失している。
製品の製造年を考えると、また、酷使されてきたらしい経過を考えると、恐らく電解コンデンサ類は寿命を迎えている筈なので、問答無用で全交換だろう。それには、一旦筐体をバラシて内部基板を確認しなければならない。
更に、スタジオルームとして使っている部屋に置いてあるヤマハのアンプ類も、子供に言わせると「ハイが抜けてこない」と。具体的には昭和の頃に販売されていたトランジスタ・ギターアンプF100-212と、同じくトランジスタのベースアンプF100-115Bである。
2つ共、格安の中古として、かなり前に我が家にやって来た物。どちらもスタジオで使われていたようだ。こちらも製造から30年以上経過しているので、劣化し易い電解コンデンサは全交換が必要だろうなぁ。
他にも、子供が使っている機材も「高音が抜けない」という問題を抱えている。
手前はYAMAHAのDX7、上の右がRolandのJP-8000、上の左がRolandのD-20である。こちらも製造年から部品交換が必要だが、それ以外にも「片方の出力が低い」などの不具合を抱えている為、単純に電解コンデンサを交換してお終いという訳には行きそうもない。どれも基板上の部品を確認しながら作業を進めることになりそうなので、結構時間が掛かりそうだ。
よりによって、花粉が飛び始めてこれからクシャミと涙との闘いが始まるという時期に差し掛かろうとしている。
拙者は、今のところスギ花粉にはあまり反応しないから軽症で済んでいるけれど、今年もそういう状態で過ごせるという保証は何処にも無い。花粉症の症状が出る前に片付けたいとは思うけれど、果たしてそんなに上手く行くかどうか...???
いずれにしろ、自分への忘備録も兼ねて、どの機材も修理の過程はこちらに記事として掲載する予定である。それにしても、数が多いよなー...。
グレコのフルアコL-100Nの弦交換とメンテナンス [音楽]
先日、数か月振りに「フルアコを触るか」とL-100Nをケースから取り出したら、弦が錆び始めていた。(汗)
そう言えば、最近弦を交換した記憶が無い...と思ったら、このブログで弦交換の作業を取り上げていた。丸々3年間も張りっ放しだったのねぇ。(滝汗)早速弦の交換に取り掛かる。
まずフィンガーボード(指板)を見ると、フレットが部分的に錆び始めているような状態になっている。
前回弾いた時には気が付かなかったから、ここ数ヶ月で一気に進行したのかも知れない。
全てのフレットを液体コンパウンドで磨くのだが、これが結構な手間なのだ。画像の右2本が磨く前、左2本が磨いた後である。
フレットが輝くだけでも見た目は随分と良くなる。
以前から気になっていたペグ(マシンヘッド・糸巻き)のツマミの部分的な汚れは、よく見ると金色の塗装が劣化した物のようだ。
チューニングで頻繁に手で触る部分だから周辺部だけが残っている。マイナスドライバーで軽くこそげ落とした後にNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。
側面も同じ様に劣化している。
こちらも同様に磨く。
小さな部分だけれど、手入れすると見た感じもかなり変わる。画像左が作業前、右が作業後だ。
ペグの頭もやはり塗装が劣化してかなり剥げている。
こちらも磨く。
これでヘッドも一寸奇麗になった。
フルアコのブリッジは固定されておらず、うっかり落としてしまうとオクターヴ・チューニングが厄介になる。予め粘着の弱いテープで軽く留めておく。
外したブリッジは全体が薄い錆で覆われていたので、真鍮ブラシで磨く。左の一部をブラシで軽く擦っただけで、こんなに奇麗になる。
テールピースもかなり錆びている。
こちらも真鍮ブラシで磨いたら、画像では分かり難いけれど一寸だけ奇麗になった。
残るはフィンガーボードだ。レモンオイルで一寸拭いただけで布が黒くなった。
布が汚れ無くなるまで何度も繰り返し拭き取り、改めてレモンオイルを塗り込むと直ぐ吸い込んでしまう。画像で濡れたように映っている左側も直前に塗ったのだが、既に吸い込まれて乾燥気味になっている。
どうやら前所有者はフィンガーボードの手入れを一切していなかったようだ。乾燥の度合いがかなり酷そうだったので、フィンガーボード全体にレモンオイルをやや多めに塗って一晩放置した。
翌日見ると、しっとりとした良い感じになっていた。
部分的にうっすらとレモンオイルが残っていたので、全体をきちんと拭いておいた。
ブリッジを支えている木台も軽く清掃してレモンオイルを薄く塗った。
一通り作業が終わったので、弦を張る。使う弦は、随分と前に購入してあったElixir(エリクサー)のワウンドラウンド弦。
ブリッジを元の位置に置いて弦を張り、オクターブ・チューニングをすれば作業は完了である。
今回はあえてこの程度で抑えたけれど、出来ればテールピース・ピックアップカバー・ペグ・ブリッジを再メッキしたいところだ。
しかし、そこまでやろうとすると、まずは荒れているメッキ面を整えるところから作業が必要でかなり時間が掛かるし、金属部分はほぼフル・レストアとなる。今回は見送ったけれど、いずれはやりたいなー。
そう言えば、最近弦を交換した記憶が無い...と思ったら、このブログで弦交換の作業を取り上げていた。丸々3年間も張りっ放しだったのねぇ。(滝汗)早速弦の交換に取り掛かる。
まずフィンガーボード(指板)を見ると、フレットが部分的に錆び始めているような状態になっている。
前回弾いた時には気が付かなかったから、ここ数ヶ月で一気に進行したのかも知れない。
全てのフレットを液体コンパウンドで磨くのだが、これが結構な手間なのだ。画像の右2本が磨く前、左2本が磨いた後である。
フレットが輝くだけでも見た目は随分と良くなる。
以前から気になっていたペグ(マシンヘッド・糸巻き)のツマミの部分的な汚れは、よく見ると金色の塗装が劣化した物のようだ。
チューニングで頻繁に手で触る部分だから周辺部だけが残っている。マイナスドライバーで軽くこそげ落とした後にNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。
側面も同じ様に劣化している。
こちらも同様に磨く。
小さな部分だけれど、手入れすると見た感じもかなり変わる。画像左が作業前、右が作業後だ。
ペグの頭もやはり塗装が劣化してかなり剥げている。
こちらも磨く。
これでヘッドも一寸奇麗になった。
フルアコのブリッジは固定されておらず、うっかり落としてしまうとオクターヴ・チューニングが厄介になる。予め粘着の弱いテープで軽く留めておく。
外したブリッジは全体が薄い錆で覆われていたので、真鍮ブラシで磨く。左の一部をブラシで軽く擦っただけで、こんなに奇麗になる。
テールピースもかなり錆びている。
こちらも真鍮ブラシで磨いたら、画像では分かり難いけれど一寸だけ奇麗になった。
残るはフィンガーボードだ。レモンオイルで一寸拭いただけで布が黒くなった。
布が汚れ無くなるまで何度も繰り返し拭き取り、改めてレモンオイルを塗り込むと直ぐ吸い込んでしまう。画像で濡れたように映っている左側も直前に塗ったのだが、既に吸い込まれて乾燥気味になっている。
どうやら前所有者はフィンガーボードの手入れを一切していなかったようだ。乾燥の度合いがかなり酷そうだったので、フィンガーボード全体にレモンオイルをやや多めに塗って一晩放置した。
翌日見ると、しっとりとした良い感じになっていた。
部分的にうっすらとレモンオイルが残っていたので、全体をきちんと拭いておいた。
ブリッジを支えている木台も軽く清掃してレモンオイルを薄く塗った。
一通り作業が終わったので、弦を張る。使う弦は、随分と前に購入してあったElixir(エリクサー)のワウンドラウンド弦。
ブリッジを元の位置に置いて弦を張り、オクターブ・チューニングをすれば作業は完了である。
今回はあえてこの程度で抑えたけれど、出来ればテールピース・ピックアップカバー・ペグ・ブリッジを再メッキしたいところだ。
しかし、そこまでやろうとすると、まずは荒れているメッキ面を整えるところから作業が必要でかなり時間が掛かるし、金属部分はほぼフル・レストアとなる。今回は見送ったけれど、いずれはやりたいなー。
ベース・ステルス6STの弦交換 [音楽]
Atlansiaの6弦ベースSTEALTH6THは、中古で入手してから半年ほど経つ。
その間一度も弦交換をしていなかったためか、先日久し振りに音を出したら「ありゃ、弦が死んでるじゃん。」ネットで色々見たけれど、ベースの6弦セットは種類が少ない上に価格も高い。
更に調べたら、5弦用のセットに1弦を足せば安く済むと判り、ネット上で探して発注した。

弦が届いたので作業開始。弦を外したら、あちこちが錆びている。(汗)
そういえば、ここ一ヶ月ほどは全く触っていなかったからなぁ。(溜め息)
# 何せ、練習嫌いなもんで。A(^^;)
フィンガーボード(指板)がやや乾燥している感じなので、クローゼットからレモンオイルを取り出したら、底の方が固まって白くなっている。
冷えて油脂成分が固まっているらしい。部屋をファンヒーターで温めている間に溶けるだろうから、先にフレット磨きに取り掛かる。
作業前は、フレット全体がくすんでいて光り方も鈍い。
試しにNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら、かなり奇麗になった。
しかし、やっぱり液体コンパウンドで磨く方がピカピカになる。
全てのフレットを作業したら、1時間ほど掛かった。
レモンオイルの油脂が溶けて透明になったので、次はフィンガーボードのクリーニングだ。作業前は全体的に乾燥した感じになっている。
見慣れてしまうと「こんなもん!?」と感じてしまうけれど、レモンオイルで磨くとしっとりとした黒になって一寸びっくり。
拭いた布も薄黒く汚れるので、見た目では判らないけれど結構汚れていたらしい。
全体を作業し終わったら、フィンガーボードの黒さが際立って引き締まった外観になった。
新品の弦を張るんだけど、不要な先端を切り落とすのに毎回難儀していたので、今回は弦と一緒にカッターも購入した。
流石専用カッターだけあって、今まで苦労してニッパーで切っていたのが嘘のよう。もっと早く手に入れておけば良かったなぁ。
弦を張っている時に雪が降り出した。
オクターブ調整したら、作業は完了である。
弦が新しくなったお陰で、出て来るサウンドもボテッとした音からタイトでシャキッとした音になった。さぁ、後は練習するだけだな...。(滝汗)
その間一度も弦交換をしていなかったためか、先日久し振りに音を出したら「ありゃ、弦が死んでるじゃん。」ネットで色々見たけれど、ベースの6弦セットは種類が少ない上に価格も高い。
更に調べたら、5弦用のセットに1弦を足せば安く済むと判り、ネット上で探して発注した。

Elixir エリクサー ベースバラ弦 NANOWEB ニッケル 6弦用 Long Scale .032 #15332 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: ELIXIR(エリクサー)
- メディア: エレクトロニクス
弦が届いたので作業開始。弦を外したら、あちこちが錆びている。(汗)
そういえば、ここ一ヶ月ほどは全く触っていなかったからなぁ。(溜め息)
# 何せ、練習嫌いなもんで。A(^^;)
フィンガーボード(指板)がやや乾燥している感じなので、クローゼットからレモンオイルを取り出したら、底の方が固まって白くなっている。
冷えて油脂成分が固まっているらしい。部屋をファンヒーターで温めている間に溶けるだろうから、先にフレット磨きに取り掛かる。
作業前は、フレット全体がくすんでいて光り方も鈍い。
試しにNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら、かなり奇麗になった。
しかし、やっぱり液体コンパウンドで磨く方がピカピカになる。
全てのフレットを作業したら、1時間ほど掛かった。
レモンオイルの油脂が溶けて透明になったので、次はフィンガーボードのクリーニングだ。作業前は全体的に乾燥した感じになっている。
見慣れてしまうと「こんなもん!?」と感じてしまうけれど、レモンオイルで磨くとしっとりとした黒になって一寸びっくり。
拭いた布も薄黒く汚れるので、見た目では判らないけれど結構汚れていたらしい。
全体を作業し終わったら、フィンガーボードの黒さが際立って引き締まった外観になった。
新品の弦を張るんだけど、不要な先端を切り落とすのに毎回難儀していたので、今回は弦と一緒にカッターも購入した。
流石専用カッターだけあって、今まで苦労してニッパーで切っていたのが嘘のよう。もっと早く手に入れておけば良かったなぁ。
弦を張っている時に雪が降り出した。
オクターブ調整したら、作業は完了である。
弦が新しくなったお陰で、出て来るサウンドもボテッとした音からタイトでシャキッとした音になった。さぁ、後は練習するだけだな...。(滝汗)
MTRを購入 [音楽]
自宅で録音する際にはKorgのハードディスクレコーダーD16XDとD32XDを使っている。
2台あるのは、重くて嵩張る物を移動させるのがとても大変だからだ。15㎏近くの機材を狭い我が家のあちこちへ移動させるのは難しいのである。一つはキーボード類のある部屋に、もう一つはギター・ベース・ドラムセットのある部屋に置いている。
どちらも15年ほど前のMTR(マルチトラックレコーダー)で使用頻度が高かった為か、ジョグダイアルが変な動きになっていたり、内部コンデンサの劣化と思われる高域の僅かな落ち込みが気になっていた。しかし、買い替えるのはずーっと躊躇っていた。
プロ向けMTRは屋外録音に特化した物ばかりで拙者の使い方に合わず、それ以外は持ち運びを重視した小型の物ばかりで少々物足りないからだ。
国内では、パソコンにDAWソフトを入れ、オーディオインターフェイスで機材を接続して、個々のレコーディングからファイナライズまでをDAW上で全て作業するのが一般的になっている。だから、機器メーカもMTRの新機種を出さない。
確かにパソコンの方が、コンプ・パライコ(パラメトリックイコライザー)・リバーブなどのエフェクトを掛けたり、切った貼ったの編集をしたりという作業は楽だとは思う。
しかし、同時に使えるエフェクトの数はパソコンの処理能力に依存する。言い換えると、高性能なパソコンを用意しないと使い物にならない。しかも、DAWソフトがバージョンアップすれば負荷は更に増えるから、パソコン機材への投資も欠かせなくなる。そうなると、DAWソフトだけでなく、パソコンへの投資もどんどん嵩む。
また、拙者は録音時に必要なエフェクト類は全て掛けておき、録音後にパライコなどを弄って調整するようなことはしない。だから、拙者の場合は録音後の作業はミックスダウンだけだ。
MTRなら一度買えば長く使えるし、パソコンも不要。今時の製品はDAWソフトと連携するようにもなっているけれど、不要なら使わなくても構わない。
直接自分の手でフェーダーやパンを操作するので、直感的で分かり易い。マウスでボタンを押すだの、メニューで選ぶだの、操作でアタフタする必要も無い。どうしても後からエフェクトを掛けたいなら、必要な外付け機器を用意すれば良いのだ。
# 現実には、機器を用意するような余裕は無いんだけどね...(--;)。
色々考えた末、涙を飲んで音楽機材を複数手放して費用を捻出し、販売価格が落ちて来たMTRを購入した。
TASCAMの32トラックMTR「DP-32SD」である。
アナログな人間だからか、フェーダーが並んでいると妙に安心する。(笑)
ジョグコントロール(画像右上の丸いツマミ)は、アナログ時代のMTRには無かったなぁ。
ボタン類もアナログ時代では考えられないほどの数になっている。
入力はXLRとTRSフォンが共用できるようになっていて、ファンタム電源も供給可能だ。
記録媒体はSDカード、モニターアウトなども用意されている。
手前側にはヘッドフォン出力やリモートスイッチのジャックがある。
D32XDもD16XDも畳の1/4ほどの大きさがあるけれど、DP-32SDはサイズも大きさもほぼ半分しかない。だから、狭い我が家でも楽々持ち運べるのが嬉しい。
まだ手元に来たばかりなので、実際に使ってみるのはこれから。使いこなすのが楽しみだ。
2台あるのは、重くて嵩張る物を移動させるのがとても大変だからだ。15㎏近くの機材を狭い我が家のあちこちへ移動させるのは難しいのである。一つはキーボード類のある部屋に、もう一つはギター・ベース・ドラムセットのある部屋に置いている。
どちらも15年ほど前のMTR(マルチトラックレコーダー)で使用頻度が高かった為か、ジョグダイアルが変な動きになっていたり、内部コンデンサの劣化と思われる高域の僅かな落ち込みが気になっていた。しかし、買い替えるのはずーっと躊躇っていた。
プロ向けMTRは屋外録音に特化した物ばかりで拙者の使い方に合わず、それ以外は持ち運びを重視した小型の物ばかりで少々物足りないからだ。
国内では、パソコンにDAWソフトを入れ、オーディオインターフェイスで機材を接続して、個々のレコーディングからファイナライズまでをDAW上で全て作業するのが一般的になっている。だから、機器メーカもMTRの新機種を出さない。
確かにパソコンの方が、コンプ・パライコ(パラメトリックイコライザー)・リバーブなどのエフェクトを掛けたり、切った貼ったの編集をしたりという作業は楽だとは思う。
しかし、同時に使えるエフェクトの数はパソコンの処理能力に依存する。言い換えると、高性能なパソコンを用意しないと使い物にならない。しかも、DAWソフトがバージョンアップすれば負荷は更に増えるから、パソコン機材への投資も欠かせなくなる。そうなると、DAWソフトだけでなく、パソコンへの投資もどんどん嵩む。
また、拙者は録音時に必要なエフェクト類は全て掛けておき、録音後にパライコなどを弄って調整するようなことはしない。だから、拙者の場合は録音後の作業はミックスダウンだけだ。
MTRなら一度買えば長く使えるし、パソコンも不要。今時の製品はDAWソフトと連携するようにもなっているけれど、不要なら使わなくても構わない。
直接自分の手でフェーダーやパンを操作するので、直感的で分かり易い。マウスでボタンを押すだの、メニューで選ぶだの、操作でアタフタする必要も無い。どうしても後からエフェクトを掛けたいなら、必要な外付け機器を用意すれば良いのだ。
# 現実には、機器を用意するような余裕は無いんだけどね...(--;)。
色々考えた末、涙を飲んで音楽機材を複数手放して費用を捻出し、販売価格が落ちて来たMTRを購入した。
TASCAMの32トラックMTR「DP-32SD」である。
アナログな人間だからか、フェーダーが並んでいると妙に安心する。(笑)
ジョグコントロール(画像右上の丸いツマミ)は、アナログ時代のMTRには無かったなぁ。
ボタン類もアナログ時代では考えられないほどの数になっている。
入力はXLRとTRSフォンが共用できるようになっていて、ファンタム電源も供給可能だ。
記録媒体はSDカード、モニターアウトなども用意されている。
手前側にはヘッドフォン出力やリモートスイッチのジャックがある。
D32XDもD16XDも畳の1/4ほどの大きさがあるけれど、DP-32SDはサイズも大きさもほぼ半分しかない。だから、狭い我が家でも楽々持ち運べるのが嬉しい。
まだ手元に来たばかりなので、実際に使ってみるのはこれから。使いこなすのが楽しみだ。
HD800からHD800Sへ [音楽]
今使っているヘッドフォン・独SENNHEISER(ゼンハイザー)HD800は、主に レコーディング時の最終チェックやCDの鑑賞用などに使っている。
ほぼ満足して使っているけれど、「これでDT770M位に低音が出てくれればなぁ」と思う時もある。beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)DT770Mは低域が充実しているので、それと比べてしまうと正直言って少々物足りなさを感じる場合もあったりする。
これはHD800の低域が貧弱という訳ではなくて、DT770Mとは違う方向性で音がまとめられており、DT770Mのような特性ではない。
そんなことは百も承知なんだけれど、DT770Mのたっぷりした低域を聞いているとHD800にも無い物ねだりしてしまうのである。
先日、何気なくネット上を徘徊していたら、程度の良さそうな中古のHD800Sを発見!新品時の価格を考えると、かなりお値打ちな額だ。ネット上の情報を漁ると、HD800SはHD800よりも低域が充実しているらしいと判る。
5日ほど悩んだけれど、結局手に入れてしまった。お陰で、財布は絶対絶命の瀕死状態である。(滝汗)
二つを並べて比較してみる。まずは外箱から。左がHD800、右がHD800Sである。
サイズや色は変わらないものの、印刷されているロゴが違う。
中を見ると、形状は全く同じだけど、本体の色が違う。左がHD800、右がHD800Sで、HD800Sは艶無しの黒になっている。
早速CDを数枚聞いてみる。聞き始めて直ぐ「100Hz前後の低音がHD800よりも出てる!」と感じた。付属してきたマニュアルを見ると周波数特性のグラフが出ていて、150Hz以下が数dB高くなっている。聞いた時の感覚と同じだ。
グラフでは6-7KHz辺りが少し落ちていて10kHz以上は少し上がっているけれど、この音域はどの音楽でも成分がかなり少ないので殆ど気にならなかった。
今まではベース等の低音域のチェックにDT770Mも多用していたけれど、その出番は少なくなりそうだ。
ほぼ満足して使っているけれど、「これでDT770M位に低音が出てくれればなぁ」と思う時もある。beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)DT770Mは低域が充実しているので、それと比べてしまうと正直言って少々物足りなさを感じる場合もあったりする。
これはHD800の低域が貧弱という訳ではなくて、DT770Mとは違う方向性で音がまとめられており、DT770Mのような特性ではない。
そんなことは百も承知なんだけれど、DT770Mのたっぷりした低域を聞いているとHD800にも無い物ねだりしてしまうのである。
先日、何気なくネット上を徘徊していたら、程度の良さそうな中古のHD800Sを発見!新品時の価格を考えると、かなりお値打ちな額だ。ネット上の情報を漁ると、HD800SはHD800よりも低域が充実しているらしいと判る。
5日ほど悩んだけれど、結局手に入れてしまった。お陰で、財布は絶対絶命の瀕死状態である。(滝汗)
二つを並べて比較してみる。まずは外箱から。左がHD800、右がHD800Sである。
サイズや色は変わらないものの、印刷されているロゴが違う。
中を見ると、形状は全く同じだけど、本体の色が違う。左がHD800、右がHD800Sで、HD800Sは艶無しの黒になっている。
早速CDを数枚聞いてみる。聞き始めて直ぐ「100Hz前後の低音がHD800よりも出てる!」と感じた。付属してきたマニュアルを見ると周波数特性のグラフが出ていて、150Hz以下が数dB高くなっている。聞いた時の感覚と同じだ。
グラフでは6-7KHz辺りが少し落ちていて10kHz以上は少し上がっているけれど、この音域はどの音楽でも成分がかなり少ないので殆ど気にならなかった。
今まではベース等の低音域のチェックにDT770Mも多用していたけれど、その出番は少なくなりそうだ。
beyerdynamicとSENNHEISERのヘッドフォン修理 [音楽]
このところ修理ばかりが続いているけれど、今回も修理である。(汗)
子供が使っているbeyerdynamicのDT770Mは「ボリウムのガリが酷くて右側の音が出なかったりする」と言う。
ヘッドフォンで使っている機器はどれもヘッドフォン用ボリウムが付いているからDT770Mのボリウムは滅多に使わないそう。
「ガリが出る位なら取り払ったら?」とも言うので、まずは分解してみることに。
まず、イヤーパッドを取り外す。
ドライバーには保護用らしき薄いスポンジシートがあり、それも外すとドライバーが見えて来る。
ドライバー本体を取り出すと配線が見える。
ボリウムの部分を分解したら小さなスライド式だった。
ボリウムを収めていた樹脂カバーは接着されていたようで分解時にツメが折れてしまったが、まぁ仕方がないな。
ボリウムを外し、配線カバーを切り開いて内部の線を出す。
ドライバーへの配線には、途中にすっぽ抜け防止らしき真鍮製の金具が入っている。
ドライバーから線を外す前に、どの線が何処に繋がっているのかを記録しておく。
止め金具はガッチリ固定されているが、手元に合いそうな部品が無い。これを取り外して流用する。
随分と苦労したが、マイナスドライバーと金槌でなんとか外せた。
だいぶ変形して一ヶ所割れてしまったが、再利用できるように形を整える。
ヘッドフォン本体に線を通してから止め金具を入れてカシメる。
線の色を間違えないようにハンダ付けし直す。
あとは元通り組み立てれば完成である。
念の為にボリウムも分解する。
裏側でカシメられているだけなので、簡単に分解できる。
分解して見ると、内部は思いの外綺麗だった。
抵抗体の摺動部は殆ど荒れていない。
ところが、接点は全て錆びていた。
これでは酷いガリが出て当然だ。NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら奇麗になった。
元通りに組み立てて、今後の為に保管しておこう。
もう一つ、自分用に普段使いしているSENNHEISERのHD800は、イヤーパッドが劣化して耳の周りに黒い粉のようなものが付くようになった。
よく見ると、パッド表面が劣化して剥がれてきている。
こうなってしまうとどうしようもない。パッドの部分だけ交換だ。幸いパッド部品は国内でも簡単に手に入る。
自宅周辺では売っていないので、ネットで取り寄せた。
まずは本体からパッドを外す。結構力が必要だった。
外したら、新しいパッドを取り付けるだけ。
単純に押し込めば固定されるんだけど、全体的に力を加えないとあっちこっちが直ぐに外れてしまうので、なかなか填めることができない。10分ほど格闘してようやく取り付けられた。
外したパッドは基本的にゴミだが、今後パッドが入手できるかどうか分からないので、やっぱり手元に残しておこう。
子供が使っているbeyerdynamicのDT770Mは「ボリウムのガリが酷くて右側の音が出なかったりする」と言う。
ヘッドフォンで使っている機器はどれもヘッドフォン用ボリウムが付いているからDT770Mのボリウムは滅多に使わないそう。
「ガリが出る位なら取り払ったら?」とも言うので、まずは分解してみることに。
まず、イヤーパッドを取り外す。
ドライバーには保護用らしき薄いスポンジシートがあり、それも外すとドライバーが見えて来る。
ドライバー本体を取り出すと配線が見える。
ボリウムの部分を分解したら小さなスライド式だった。
ボリウムを収めていた樹脂カバーは接着されていたようで分解時にツメが折れてしまったが、まぁ仕方がないな。
ボリウムを外し、配線カバーを切り開いて内部の線を出す。
ドライバーへの配線には、途中にすっぽ抜け防止らしき真鍮製の金具が入っている。
ドライバーから線を外す前に、どの線が何処に繋がっているのかを記録しておく。
止め金具はガッチリ固定されているが、手元に合いそうな部品が無い。これを取り外して流用する。
随分と苦労したが、マイナスドライバーと金槌でなんとか外せた。
だいぶ変形して一ヶ所割れてしまったが、再利用できるように形を整える。
ヘッドフォン本体に線を通してから止め金具を入れてカシメる。
線の色を間違えないようにハンダ付けし直す。
あとは元通り組み立てれば完成である。
念の為にボリウムも分解する。
裏側でカシメられているだけなので、簡単に分解できる。
分解して見ると、内部は思いの外綺麗だった。
抵抗体の摺動部は殆ど荒れていない。
ところが、接点は全て錆びていた。
これでは酷いガリが出て当然だ。NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら奇麗になった。
元通りに組み立てて、今後の為に保管しておこう。
もう一つ、自分用に普段使いしているSENNHEISERのHD800は、イヤーパッドが劣化して耳の周りに黒い粉のようなものが付くようになった。
よく見ると、パッド表面が劣化して剥がれてきている。
こうなってしまうとどうしようもない。パッドの部分だけ交換だ。幸いパッド部品は国内でも簡単に手に入る。
自宅周辺では売っていないので、ネットで取り寄せた。
まずは本体からパッドを外す。結構力が必要だった。
外したら、新しいパッドを取り付けるだけ。
単純に押し込めば固定されるんだけど、全体的に力を加えないとあっちこっちが直ぐに外れてしまうので、なかなか填めることができない。10分ほど格闘してようやく取り付けられた。
外したパッドは基本的にゴミだが、今後パッドが入手できるかどうか分からないので、やっぱり手元に残しておこう。