So-net無料ブログ作成

beyerdynamicとSENNHEISERのヘッドフォン修理 [音楽]

 このところ修理ばかりが続いているけれど、今回も修理である。(汗)
 子供が使っているbeyerdynamicのDT770Mは「ボリウムのガリが酷くて右側の音が出なかったりする」と言う。
ボリウムにガリの出ているベイヤーダイナミックのDT770M
ヘッドフォンで使っている機器はどれもヘッドフォン用ボリウムが付いているからDT770Mのボリウムは滅多に使わないそう。
ボリウムにガリの出ているbeyerdynamicのDT770M
「ガリが出る位なら取り払ったら?」とも言うので、まずは分解してみることに。
DT770M分解前の状態

 まず、イヤーパッドを取り外す。
DT770Mのイヤーパッドを外したところ
ドライバーには保護用らしき薄いスポンジシートがあり、それも外すとドライバーが見えて来る。
DT770Mの薄いスポンジシートを外したところ
ドライバー本体を取り出すと配線が見える。
DT770Mのドライバーを外したところ
ボリウムの部分を分解したら小さなスライド式だった。
DT770Mのボリウム部分を分解したところ
ボリウムを収めていた樹脂カバーは接着されていたようで分解時にツメが折れてしまったが、まぁ仕方がないな。
ボリウムの樹脂カバーは接着されていた
ボリウムを外し、配線カバーを切り開いて内部の線を出す。
ボリウムを外したところ
ドライバーへの配線には、途中にすっぽ抜け防止らしき真鍮製の金具が入っている。
ドライバーへの配線の途中に抜け止めの金具が入っている
ドライバーから線を外す前に、どの線が何処に繋がっているのかを記録しておく。
ドライバーへの配線を記録しておく
止め金具はガッチリ固定されているが、手元に合いそうな部品が無い。これを取り外して流用する。
止め金具を外す前
随分と苦労したが、マイナスドライバーと金槌でなんとか外せた。
止め金具を外したところ
だいぶ変形して一ヶ所割れてしまったが、再利用できるように形を整える。
止め金具を整形し直したところ
ヘッドフォン本体に線を通してから止め金具を入れてカシメる。
配線をヘッドフォン本体に通して止め金具をカシメたところ
線の色を間違えないようにハンダ付けし直す。
配線をハンダ付けし直したところ
あとは元通り組み立てれば完成である。
 念の為にボリウムも分解する。
DT770Mから取り外したボリウム
裏側でカシメられているだけなので、簡単に分解できる。
ボリウムは裏側でカシメられているだけ
分解して見ると、内部は思いの外綺麗だった。
分解したボリウム内部は案外綺麗だ
抵抗体の摺動部は殆ど荒れていない。
抵抗体の摺動部は殆ど荒れていない
ところが、接点は全て錆びていた。
ボリウム内部接点は全て錆びていた
これでは酷いガリが出て当然だ。NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら奇麗になった。
ボリウムの接点をNeverDullで磨いたところ
元通りに組み立てて、今後の為に保管しておこう。

 もう一つ、自分用に普段使いしているSENNHEISERのHD800は、イヤーパッドが劣化して耳の周りに黒い粉のようなものが付くようになった。
普段使っているゼンハイザーのHD800
よく見ると、パッド表面が劣化して剥がれてきている。
イヤーパッド表面が劣化して剥げてきている
こうなってしまうとどうしようもない。パッドの部分だけ交換だ。幸いパッド部品は国内でも簡単に手に入る。


自宅周辺では売っていないので、ネットで取り寄せた。
取り寄せたHD800用イヤーパッド
まずは本体からパッドを外す。結構力が必要だった。
HD800のイヤーパッドを取り外したところ
外したら、新しいパッドを取り付けるだけ。
新しいパッドをHD800に取り付け終わったところ
単純に押し込めば固定されるんだけど、全体的に力を加えないとあっちこっちが直ぐに外れてしまうので、なかなか填めることができない。10分ほど格闘してようやく取り付けられた。
 外したパッドは基本的にゴミだが、今後パッドが入手できるかどうか分からないので、やっぱり手元に残しておこう。
nice!(13)  コメント(2) 

TAPCOオーディオインターフェースの簡単な修理 [音楽]

 子供がタワー型PCに接続して使っているTAPCOのオーディオインターフェース「link.usb」の調子が悪いという。
IMG_2148.JPG
普段はPCでリッピングした曲のデータをオーディオインターフェースでアナログ変換してスタジオモニターで鳴らしているけれど、時々ヘッドフォンで使うとボリウムのガリが酷いんだそうな。10年ほど前の製品だから、まぁ仕方あるまいな。
# この手の機材にはありがちな話ですねぇ。
まずは全体を見回す。フロントパネルにツマミが集中していて、ジャック類はリアパネルにまとめられている。
Link.usbのフロントパネル
Link.usbのリアパネル
底面は本体を支えるバーがあるだけだ。
底面にネジは無い
筐体を固定するようなネジが見当たらないので、どこかに潜んでいる筈。試しに、側面のラバーを剥がしてみる。
側面のラバーを剥がしているところ
案の定ネジが隠れていた。
ラバーの下にはネジが隠されていた
ネジを外すと筐体が二つに分かれる。
本体のネジを外したところ
基板上の目立つICを調べてみた。「TAS1020B」はTIのUSB Streaming Controllerである。
TIのTAS1020B
USB関係をまとめて一括制御するチップだね。3.3Vの低電圧仕様になっている。
 「AK4528VF」は旭化成の24Bit96kHz Audio CODECである。
旭化成のAK4528VF
ADコンバータとDAコンバータがワンチップになったもので、電源は通常の5V仕様だ。
 「TLC2272AC」はTIのCMOSオペアンプである。
TIのオペアンプTLC2272AC
このチップも5Vから動作する。
 「LMC555」はTIのタイマー用ICである。
TIのタイマーIC,LMC555
定番555のCMOS版で、電源は1.5V以上であれば動くようだ。
 「LM2663」はTIのSwitched Capacitor Voltage Converterである。
TIのLM2663
電源電圧をそのまま負電圧に変換するコンバーターで、200mAまで取り出せるようだ。恐らくオペアンプ用の負電源を作っているのだろう。
 このダイオードは沢山使われているけれど、型番が判らないのでデータも不明。
型番不明のダイオードチップ
恐らくはショットキータイプだと思うけれど、確証は無い。

 基板はごく普通の作りだが、何と、LEDはボンドで固定されている!
LEDはボンドで固定されている
うーん、流石チャイナ製だ。(絶句)
 よく見ると、何となく電解コンデンサが怪しい感じ。
見た目が怪しい電解コンデンサ
画像では分かり難いと思うけれど、右側が一寸膨らんでいる。
このコンデンサは矢印の部分が少し膨らんでいる
1000μFのコンデンサは全て同じような状態になっている。汎用品だからそろそろ寿命を迎えてもおかしくはないけれど、今すぐ交換が必要なほどではないので様子見とする。

 基板とフロントパネルはツマミとジャックのナットで固定されている。
基板とフロントパネルはツマミとナットで固定されている
ツマミとナットを取り外せば、フロントパネルが外れる。
フロントパネルを外したところ
スルーホールなのでかなり梃子摺ったが、10分以上格闘して何とかボリウムを外せた。
ボリウム取り外したところ
この形状は見たことが無いので、恐らく専用品だろう。
ボリウムを包んでいる金属のツメを慎重に起こして分解する。
ボリウムを分解したところ
接点を拡大して見ると、接触する部分が少し錆びているように見える。
接点が少し錆びているように見える
NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて奇麗にした。
接点を磨き終わったところ
抵抗体も表面がかなり荒れているようだ。
抵抗体の表面も有れている
同じくNeverDullで磨いて綺麗にする。
抵抗体を磨き終わったところ
ボリウムを元通りに組み立てたら、基板にハンダ付けする。
組み立てたボリウムを基板にハンダ付けしたところ
あとは元通り組み立てて完成である。
 子供に使って貰ったら「正常に動いた」というので一安心だ。

 この手の機材は開放型のボリウムを使っていて、使用頻度にも依るけれど、いつかは必ずガリが出るようになる。動く部分が多いので、こればかりは仕方がない。
 近年はコストダウンの為か専用品が使われていることが多く、今回のように配線も特殊だと汎用品に置き換えるのは難しい。汎用の小型ボリウムなどで置き換える事も出来なくはないだろうが、かなり苦労しそうだ。
 幸い、今回は直せたので助かった。これで当分は動いてくれるだろう。
nice!(22)  コメント(2) 

PHIL JONES BASSヘッドフォンの修理 [音楽]

フィルジョーンズのヘッドフォンH850はだいぶ前にイヤーパッドを交換して子供が使い続けていたが、先日何かの拍子でアームの部分が折れてしまった。
アーム部が折れた
子供の友達のも同じ場所が壊れたそうだ。アームの曲率が変わってやや深く曲がっている部分だから、見ただけでも応力が掛かり易いのが分かる。構造的に弱そうだ。

 まずは、普通のボンドで接着してみる。ボンドの説明通り、べとつかない程度に乾いてきたら、力一杯接合させて24時間以上放置した。
折れた箇所をボンドで貼り合わせた
丸2日経って「もう良いだろう」と持ち上げたら、折れた箇所がそのままダラリと垂れ下がってしまった。要するに、付かなかったのだ。(汗)どうやら、ボンドでは接着できない材質らしい。見た目は硬質プラスチックなんだけどなー。
 仕方ないので、折れた部分を分解してプラリペアで修復することに。

 まず、折れた部分の裏側を見ると、ネジ止めされている箇所がある。
折れた部分はネジ止めされている
割れた側のネジを全て外す。
割れた部分のネジを全て外したところ
回転する部分は角度によっては抜けない構造になっている。
回転する部分を外したところ
配線を切らないように注意しながら、割れた部分をV字状にカットする。
割れた部分をV字状にカットしたところ
割れた部品が歪まないように慎重に位置決めして固定する。
割れた部品の位置決めをしたところ
位置が変わらないように慎重にプラリペアを流し込んで24時間以上放置する。
割れた部分にプラリペアを流し込んだところ
完全に固まって取り付けようとしたら、補強の積もりで盛り上げたプラリペアが邪魔になってネジ止めできない。
プラリペアの盛り上がりが邪魔してネジ止め出来ない
そこで、嵌める部品の突起を削り取り、プラリペアの当たる部分を少しずつ削ってネジ止めできるように調整する。
プラリペアと嵌める部品を削って調整しているところ
無理な力が掛からないよう注意しながらネジ止めする。
割れた部品をネジ止めしたところ
恐る恐る持ち上げてみたが、曲がったりしないので大丈夫だ。
割れた部分は完全に固定された
これで修理は完了である。
修理が終わったH850

 しかし、今度はヘッドバンドの合成皮革部の剥がれが気になる。
合成皮革の部分に剥がれがある
かなり傷んでいる。放置すると、更にドンドン剥がれてきそうだ。
剥がれている部分をアップ
とりあえず、関係する部分を分解した。
ヘッドバンド部を分解したところ
ここは全体がミシン縫いで、解くと元に戻すのは素人では難しい。そこで、母に依頼して黒い布で全体を包んで貰った。
黒い布でバンド部を包んだところ
布がはみ出ないように調整しながら元通りネジ止めする。
分解した部分を元通りにする
これでスッキリとした。
完成したH850
これで気持ち良く使い続けられるだろう。
nice!(20)  コメント(4) 

Brand XのライブアルバムとAllan Holdsworthのラストアルバム [音楽]

 今日、見慣れない郵便物が届いた。
届いた郵便物
国内ではまずこういう形では発送しないから、一目見て「海外からだ」と判った。が、「はて?何処から??」表を見て納得。
海外からの郵便物
Facebookでアナウンスされて直ぐに申し込んだBrand Xのライブアルバム「But wait ... There's more」が届いたのだ。早速開封したら、CDが出て来た。
Brand Xのライブアルバム・表
Brand Xのライブアルバム・裏
一緒にポストカードも入っていた。
同封されていたポストカード
しかも、表にはギタリストJohn GoodsallとベースPercy Jonesの直筆サイン入りだ。
John GoodsallとPercy Jonesのサイン入り
いやぁ、もう感激!である。
# どちらも拙者の「心の師匠」ですから。(^^)
 早速CD2枚とも聴き込む。ライブにありがちな音の悪さが無いので恐らく卓(ミキサーのこと)から引っ張っているんだと思うけど、ライブで良くもここまで!という感じ。拙者がミキシングエンジニアだったら、ここまでの音質を保証するのは難しいだろうなぁ。
# 流石、プロですねー。
曲はどれも嘗てのアルバムで聴き慣れたものばかりだが、ライブ向けのアレンジで新鮮に感じる。アルバムではかなり難しいことをあちこちでやってるけれど、ライブでもほぼ同じように再現してしまうのだから、参加ミュージシャンの技量の凄さを改めて思い知らされた。
# まーぁ、アーティストにしてみれば「当たり前」なのかも知れませんけどぉ。
CDは2枚とも40分ほど、連続で聴いて80分間「至福の時」をたっぷりと楽しませて貰った。
# ライブを見にアメリカへ...というのは拙者には現実的ではないんで。

 もう一つ、先日鬼籍入りしてしまったAllan Holdsworthのラストアルバムも届いた。
Allan Holdsworthのラストアルバム
Allan自身が選曲してマスターからリマスタリングしたもので、こちらも2枚組だ。貴重な写真を掲載したブックレットも付属している。
付属のブックレット
どれもアルバムでおなじみの曲ばかりだが、Road GamesはJack Bruceがボーカルをやっていて、随分と雰囲気が違うので一寸驚いた。確かに、こういうアレンジも「有り」だなぁと思う。

 久し振りにCDを購入したけれど、どちらもタップリ楽しませて貰った。勿論どちらも「愛聴盤」決定である。

M-AUDIOのキーボードkeystation 88esの修理 [音楽]

 子供の依頼で入手した中古のM-AUDIO「keystation 88es」の調子が良くないという。
中古のM-AUDIO・keystation 88es
見た目は普通のキーボードだが、この製品はMIDIキーボードで単体では音を出せない。MIDI音源やUSB経由で音を出す機器である。

 早速中を見る。まず、本体を裏返すと、ネジが沢山見える。
本体を裏返したところ
ネジを外して上側のカバーを外したら、大きな埃の塊が出て来た。
内部には大きな埃の塊が
前所有者はDAW(Digital Audio Workstation)で使っていたというから、鍵盤の隙間から部屋の埃などが入ったのだろうが、それにしても凄い。(笑)
 出力部の回路はデジタルだけあって結構シンプルだ。
出力回路のシンプルな基板
ホイール部の作りも結構単純だ。
ホイール部も簡単な構造
鍵盤は下側の蓋にネジ止めされている。
鍵盤は下側の蓋に固定されている
ネジを外して鍵盤を取り出す。
鍵盤だけを取り出したところ
一鍵ずつバネで支えるという、一般的な構造だ。
鍵盤は個別にバネで支えている
横から見ると2つの接点を鍵盤で押しているようだ。ちなみに、他にセンサーの類は一切無い。
鍵盤が下にある2つの接点を押す構造
ベロシティセンシティブのキーボードだから、キー押下時に2接点が導通する僅かな時間差からキーベロシティ(キーを押す速さ)を計算していると思われる。
 鍵盤裏側に固定された基板を外すと、スイッチ部がズラリと88個並んでいる。
鍵盤裏側の基板を外したところ
スイッチ部には導電ゴムが使われている。一般的な電卓のキーと全く同じ構造である。
スイッチは普通の電卓と同じ構造
よく見ると、導電ゴムの高さが僅かに変えてあるのが分かる。
導電ゴムの高さが僅かに違う
この僅かな違いが押さえた時の時間差を作り出していると思われる。
 以前に接点復活剤でも吹き付けられたのか、導電ゴムは全体的に油で薄汚れている。全て外して石鹸で全体を洗う。
導電ゴムを石鹸で洗い流したところ
導電ゴムを石鹸で洗い流したところ
基板側の接点はNeverDull(ネバーダル)で磨く。左2列が磨いた後、右は磨く前だ。
基板上の接点をNeverDullで磨いているところ
磨くと僅かに色が黒くなる。NeverDullの表面はかなり黒くなって汚れるから、表面は結構酸化していたようだ。
 磨き終わったら導電ゴムを取り付け、基板を元の位置に取り付ける。
基板を元の位置に取り付けたところ
基板の端に載っていた制御基板も忘れずに取り付ける。
鍵盤の制御基板
カスタムチップのICが使われ、配線はグルーガン(ホットメルト)で固定されている。通常ならコネクタを使う所だが、基板の高さを押さえる為にあえてこのような形にしたのだろう。
 後は元通り組み立てて作業完了である。

 子供が実際に使ってみたら、不具合のあった鍵盤以外も反応が覿面に良くなったそう。どうやら、修理は成功したようだ。(笑)

パワーアンプをThomannに変更 [音楽]

 2階の自分が使っている部屋のオーディオセットでは中古で手に入れたCrownのD-45を使っていたのだけれど、一ヶ月ほど前に突然チャンネル2側が酷く歪むようになった。
突然歪むようになったCrownのD-45
アースが浮いているような音なので「どこかの配線が外れた?」と思い、内部を調べたが線が外れたりハンダが怪しいような箇所は見つからない。改めて基板上の部品もチェックしたら、「ひょっとしたらパワートランジスタ?」と感じるような痕跡がトランジスタに見つかった。肉眼では殆ど判らないけれど、ルーペで大きく拡大すると、何となくトランジスタの表面がおかしいのだ。
 既に7年以上使っているし、中古で買ったから実際にはもっと長期間使われていた筈。使われているトランジスタは国内では手に入らないので、修理するのも困難。「引退させて、新しいアンプに替えよう。」
 新しいアンプが手に入るまでの間はEL SOUNDの小型アンプEPWS-5Vに頑張って貰うことに。
繋ぎで使うエルサウンドEPWS-5V
出力は5Wだが、その実力は相当なもの。1階に置いているTANNOY Canterbury15を軽々と鳴らしてしまう。ちなみに、このモデルは注文時に依頼すれば1W仕様にも出来る。
 普通に聴く音量なら0.2W程度だし、回路本来の動作に近づけられるので初めから1Wにすれば良いと思うが、そうしないのには何か別の理由があるのだろう。

 さて、早速代わりのアンプを探す。
 重症のオーディオ病に罹患してる人は高額な製品に走るんだろうけれど、生憎拙者はオーディオ業界の餌食になる積もりは無い。
# そもそもオーディオに大金を注ぎ込めるような身分じゃないし。(滝汗)
そこそこのお値段、モニタースピーカーを過不足なく鳴らせる、という条件を付けると、やはり民生用アンプでは少々心許ない。結局Crownの後継として売り出されている独ThomannのS-75mk2を選んだ。
 このアンプは国内ではプロケーブルで扱ってる。だから簡単に手に入るのだけれど、いつものように更に安い中古を漁った。

 一か月間、散々あちこちを探したけれど、出てくるのはマイナーチェンジ前のS-75ばかり。
 S-75はERP機能をキャンセルできず、小信号だとアンプ側が「入力信号が無い」と勝手に判断してミュートする場合がある。いつも小音量で使う拙者には都合が悪い。
 稀にS-75mk2が出て来ても、新品より少し安い程度でしかないので、思い切って新品を買ってしまった。
# 近年稀に見る暴挙だなー。(爆)
新品で購入したThomannのS-75mk2
電源ケーブルは勿論付属してくるけれど、今回は別売りのWATTGATE電源ケーブルも同時に発注しておいた。
同時注文のWATTGATE電源ケーブル
現行品はAC100Vでも問題無く動くそうだが、本来AC115Vで動作する製品なので、100Vを115Vに昇圧するトランスも併せて購入した。
115V用昇圧トランスも併せて購入
スピーカーケーブルは安価なVVFケーブルを使っているけれど、中は銅の単線なので、アンプのコネクタが緩むと簡単に抜けてしまう危険性がある。そうなると下手すりゃアンプを飛ばしてしまいかねない。幸い、S-75mk2にはスピコン端子があるので、スピコンも一緒に頼んだ。
一緒に購入したノイトリックのスピコン

NEUTRIK (ノイトリック) NL2FX 2芯用スピコン [並行輸入品]

NEUTRIK (ノイトリック) NL2FX 2芯用スピコン [並行輸入品]

  • 出版社/メーカー: NEUTRIK (ノイトリック)
  • メディア: エレクトロニクス





 スピコンの使い方は入っている袋にも印刷されていて、とても簡単だ。まず、VVFケーブルの外側の被覆を2.5㎝剥き、銅線は1.2㎝剥く。
VVFケーブルの被覆を剥いたところ
要するに1インチと0.5インチである。
 コネクタのカバーと内部で配線を押さえるカプラを、順番を間違えないよう線に通す。
スピコンの部品に線を通す
ノイトリックNL2FXは2本配線用のスピコンなので、1+と1-の2か所だけにネジがある。
ノイトリックNL2FXは線2本用のスピコン
ネジを緩めてから銅線を奥に突き当たるまでしっかり入れ、ネジを締める。
単線を挿し込んでネジ止めしたところ
内部のカプラとスピコン本体の噛み合いが合う位置にして
内部カプラと本体のかみ合わせを調整したところ
コネクターカバーをねじ込めば完成である。
コネクターカバーを締め込んで完成したところ
金属ラックにアンプと昇圧トランスを収める。
ラックに全てを収めたところ
スピーカと接続したら、アンプの入れ替え作業は完了だ。
アンプ交換を終えたオーディオシステム
使い始めたばかりなので、まだアンプは本来の実力は出ていない。それでもしっかりした音がスピーカーから飛んでくる。特にウーファーの制動力は凄いと思う。

 これでようやく2階のシステムできちんと音を出せる状態になった。
 少しだけ触れただけで未だこのブログでは紹介していないが、とある理由から少し前に買い足したモニターがある。それとこのシステムを比較して、オーディオシステムをどうして行くのかをじっくり検討する予定。
 買い足したモニターは...そのうちにブログに投稿する予定デス。

セミアコAS-200の弦交換と調整 [音楽]

 随分前に手に入れたIbanez(アイバニーズ)のセミアコAS-200は、子供は時々使っていたみたいだったが、拙者は最近殆ど触っていなかった。
随分前に手に入れたIbanezのAS-200限定カラー
そのせいか弦が錆び始めたので、「こりゃぁマズイ」と弦交換することに。
# このところ、なんだか弦交換ばかりしてるよーな気がする...
 AS-200は通常「Vintage Yellow Sunburst」というイエローサンバーストしかないが、このギターはどこかのショップが別注で作らせたものらしくて、鮮やかなシースルーレッドになっている。ヘッドの形状を除けばGibsonのES-335と良く似ているけれど、出て来るサウンドは全く別物である。

 使う弦は、いつものElixir(エリクサー)のNANOWEBだ。
用意したElixirのNANOWEB
弦を交換しようとているピースを見ると、表面にうっすらと錆が出ている。
テールピース表面にうっすらと錆が出ている
このままでも少しの間なら問題は無いが、そのまま放置するとメッキまで剥がれてしまう可能性があるので、NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。強く擦ると金色の塗装が剥げてしまうので、ほどほどに。
テールピースを磨いたところ
表面だけでなくあちこちが錆びているので、取り外して全体を磨くことにする。
テールピースを取り外して磨く
テールピースやブリッジを支えるスタッドボルトも同様に磨く。
スタッドボルトも同様に磨く
ブリッジはかなり錆びていたので、磨いたら金色の塗装がかなり落ちてしまった。
ブリッジは錆を落としたら金色の塗装まで落ちた
見た目は良くないが、普段ジロジロ見る場所ではないから、このままとする。もし、更に錆が広がって金色が剥げてしまったら、その段階で再メッキすることを考えようと思う。
 ピックアップカバーもかなり錆びていて懸命に擦ったが、この程度が限界だ。
ピックアップカバーを磨いたところ
これも更に酷くなったら再メッキを考える方が良さそう。

 弦を外してフィンガーボードを見たら、フレットがかなりくすんでいる。放置するとどんどん錆びてしまうので、液体コンパウンドでフレットを一本ずつ磨く。
フレットを液体コンパウンドで磨いているところ
右端が磨いた後、それ以外は磨く前で、表面の輝き具合が全く違う。全体を磨くのに結構な時間が掛かってしまった。
フレット全てを磨き終わったところ
フィンガーボードをよく見るとやや汚れているような感じなので、近くのお店に行ってレモンオイルを仕入れて来た。
買って来たレモンオイル
フリーダム製で、純粋なレモンオイルだけでなく蜜蝋が少し入っていて、ネット上の評判も良い。
 レモンオイルに保湿効果は無くてクリーニング効果のみなので、ローズウッド等に使うと別途保湿する必要があるけれど、この製品なら一度に処理できるから簡単で良い。
 早速使ってみると、フィンガーボードの汚れが布に黒く付いてきて「こんなに汚れていたのか!」と、一寸びっくり。
レモンオイルで拭くと汚れが布に付く
フィンガーボード全体を拭き終わったら、布がかなり黒くなった。
拭き終わった布はかなり黒くなった
購入後は弦交換以外は一度もメンテナンスした事が無いから、結構汚れが溜まっていたんだなー。

 フィンガーボードが奇麗になったので、やっと弦交換に移る。メーカのサイトを見たら、出荷時の使用弦は「.010/.013/.017/.026/.036/.046」となっている。「あれぇ?以前は確か.011からのミディアムゲージを張っていた筈なんだけどなぁ。」ソリッドボディではライトゲージがほぼ標準になっているので、それに合わせてゲージを落としたのかも知れない。
 今回使うゲージは、他のギターと同じミディアムである。
使うElixirはミディアムゲージ
この日は作業を始めたのが午後だったので、弦を張り終わったら夜になってしまった。なので、翌日に作業を持ち越す。

 翌日は、前日の続きから作業を始める。
 弦の種類を変えたらテンションも変わるので、ネックの調整をする。メーカのサイトに説明書があったので読んだら、拙者のやり方とほぼ同じだったので、今まで通り進める。
 まず6弦1フレットとネック接合部に一番近いフレットを押さえる。メーカの説明書の図に従えば18フレットになるらしいが、拙者はES-335の際に使う16フレットを押さえた。
6弦1フレットと16フレットを押さえて弦高を見ているところ
抑えた範囲で中央となるフレットの頂点と弦の隙間を測る。測るやり方には色々あるけれど、拙者は抑えた状態で弦を押さえたり離したりして、目でその隙間を見ている。
指で弦を押したり離したりして隙間を測っているところ
隙間が0.7mmほどとやや大きいので、トラスロッドを回して調整する。
 メーカの説明書では「8フレットで0.3mmから0.5mm」と指定されているけれど、拙者は7フレット上で0.2mmを目標にした。0.2mmはちょうど名刺一枚分の厚さで、判り易いのだ。
AS-200のトラスロッド
トラスロッドを回す際には、1/8回転ずつ慎重に回す。いきなり大きな角度で回すとネックを傷めてしまう可能性があるからだ。

 ネックを調整したら、次は弦高を調整する。
  メーカの説明書では「14フレットの頂点と弦の下端まで6弦側は2.0㎜から2.2㎜、1弦側は1.5㎜から1.7㎜」と指定されているけれど、拙者は12フレット頂点と弦の下面まで6弦側は2.0㎜から2.2㎜、1弦側は1.2㎜から1.5㎜で調整する。今の状態は、6弦側は2㎜だから問題無い。
6弦側の高さは範囲内
1弦側は僅かに高い。
1弦側は少し高い
ブリッジの弦高調整スクリューを回して少し下げた。
 しかしよくよく考ると、弦高が変わればテンションが変わり、それに伴ってネックの調整具合も変わるので、弦高を調整してからネックを調整する方が良いのかも知れない。幸い、今回の調整ではネックの再調整は必要無かった。

 次はオクターブ調整だ。各弦で、12フレットの実音とハーモニクスの音程が同じになるようにブリッジの駒を前後させて調整する。
各弦のオクターブ調整をしているところ
チューニングメーターを使うと正確で良いが、生憎持ってないし、本来は耳で出来るようにするべきなので、敢えて耳だけで調整する。他には、周波数カウンタ機能のあるデジタルテスターを使うという手もある。

 弦関係の最後はテールピースの高さ調整だ。
 高さに関してはメーカの説明書には何も書かれていない。拙者はボディにベタ付けの状態から少し上げて、弦のテンション間を少しだけ弱めにする。こうすると、サステインが長くなる。

 次は電気系のピックアップの調整だ。一旦ピックアップの上面を支えているエスカッションと同じ高さにする。
 次に、レベルメータのある機材に接続して、各弦の音量が同じになるようにピックアップのポールピースの高さを調整する。生憎レベルメータのある機材は直ぐに使える状態ではないので、オシロスコープで波形の高さを見ながら調整した。レベルメータのように判り易くは無いのでかなり苦労したけれど、それでもちゃんと合ったかどうかは自信が無い。(滝汗)
# ギター出力を直接レベルメータで見るようなストンプボックスを作ると良いかなー?

 大まかに揃えたら、最後にピックアップの高さを調整する。
 メーカの説明書には何も書かれていないが、ピックアップのポールピース頂点から弦の下端までの感覚が3mmになるように調整する。現在の状態を確認すると、フロントはかなり高めになっている。
フロントピックアップはかなり高い状態
リアもやや高い。
リアピックアップもやや高い状態
どちらもエスカッションのネジを回して調整する。
 今回は3㎜で調整したけれど、ロック等である程度の音圧が必要なら1.6mm、生鳴りを活かしたサウンドにするなら3.5㎜程度に調整するだろう。

 一通り調整が終わったが、改めてペグを見ると全体的にやや錆びている。
ペグも全体的に錆びている
放置すると厄介な事になりかねないので、NeverDullで金色が剥げない程度に磨いておいた。
金色が剥げない程度に磨いた

 これで全ての調整が済んだけれど、丸々2日掛かってしまった。次回はもう一寸手早くできるようにしたいものだ。

ヤマハQY300の電池交換 [音楽]

 子供の依頼で入手したヤマハのシーケンサーQY300は、「Battery Low」の表示が出て何もできない状態になるので「ジャンク」で格安だった。
格安で手に入れたヤマハQY300
ヤマハに限らず、この時代の音楽用デジタル機材は内部メモリーのバックアップ用にボタン電池を使っている。小さな電池なので容量が少なく、数年から10年ほどで干上がってしまう。こうなると交換が必要となる。

 まず、QY300の裏側を見ると、沢山のネジが見える。
QY300の裏側にはネジが沢山ある
これを全て外すと、何故か2種類のネジが使われていた。
使われていた2種類のネジ
ジャック側にもネジがあるので外す。
ジャック側にもネジがある
念の為に前面のツマミを引っこ抜く。
前面のツマミを引き抜いたところ
裏蓋を引き上げれば内部が見渡せる。
 ジャック側には、液体が浸み込んだような痕が見える。
液体が浸み込んだような痕
ジュース類などをこぼしたのかも知れない。
液体が染みたような痕
この程度なら金属表面を軽く磨けば大丈夫だ。
 一番底にある基板の下側も、何やら液体に浸かったような痕が見える。
浸かったような跡が見える底の基板
素手で触ると少しべたつく。糖分の多い液体が中に侵入したのかも知れない。基板を外して洗う為、配線を全て外す。
底の基板に接続された配線は多い
基板の配線を外したところ
基板を取り外すと、部品面にボタン電池が見える。
部品面にボタン電池が見える
使われているのはCR2450だ。ハンダ付け用端子がポイント溶接されているので専用品のようだ。
ハンダ付け用端子が溶接されているので専用品らしい
ハンダを緩めて取り外す。
取り外したボタン電池
マイナス側を見ると、電解液が漏れた跡がある。
電解液が漏れた跡がある
電圧を測ったら7mV程度しかない。
電池の電圧は7mVほど
ほぼ空だから、「Battery Low」の表示が出て当然だろう。
 電池がハンダ付けされていた部分はスルーホールらしく、電池を抜いてもハンダが残って穴を塞いでいるので、0.6mm径の細いドリルでハンダを取り除く。
細いドリルでスルーホールに残ったハンダを取り除く
基板の配線パターン面は石鹸で洗って乾燥させたらべたつきは取れた。
石鹸で洗った配線パターン面
ついでに、内部の基板全てを取り外す。ジョグダイヤルの部分は大して汚れていなかった。
ジョグダイヤル部は比較的奇麗
ボリウムは埃まるけだ。
ボリウム部は埃まみれ
キーの部分も埃が厚く溜まっている。
キーの下には厚い埃があった
キーを外すと、埃はあちこちに入り込んでいた。
キーを外したところ
筐体内部は銅箔で全てシールドされている。こういう作りは初めて見た。
筐体内部は銅箔で全てシールドされている
デジタルノイズの放出をできるだけ抑え込もうとしたのだろうか。

 一体化したキーの部分も凄い埃なので、石鹸と古歯ブラシで洗う。
古歯ブラシと石鹸でキーを洗う
キートップも同様に洗った。
キートップも同様に洗った
完全に乾燥させたら、分解時とは逆の順番で組み立てる。
元通りに組み立てる
元通りに組み立てる
元通りに組み立てる
元通りに組み立てる
DX7の時と同様、バッテリーは単三電池に替えた。
バッテリーは単三電池2本に換装した
こうすれば、電池切れになっても簡単に交換できるし、安上がりだ。
 しかし、単三電池は液漏れを起こすと電解液の量がボタン電池より遥かに多いので、定期的に点検するなどの注意が必要となる。
 組み立て時にジャック部を見たらJALCO製だった。当時の音楽機材には、メーカを問わず多用されていた部品だ。
JALCO製のジャックが使われている
なお、JALCOのジャック類は東北タツミ株式会社へ事業譲渡されている。
 付属のACアダプターは金属部が錆びていたので、NeverDullで磨いておいた。
ACアダプターの金属部を磨いたところ
本体裏蓋をネジで止めれば作業は完了である。
作業が完了したQY300
子供が一通り使ってみたが、特に不具合は見つからず正常に動く。これで当分は安心して使えそうだ。

CD整理はまたまた衣装ケースで [音楽]

 昨年、ジャズ系CDロック系CDをまとめ買いしたものの、小さな我が家は物理的な空間サイズが限られているので収納する場所が無く、何かを入れようとすれば何かを放り出さなければならない。しかし、何を放り出すかが非常に悩ましくてなかなか決められず、結局段ボール箱に入れたまま部屋に置いていた。
# 「放置していた」という表現の方が正確かも。(汗)
 先月、チョットしたことがきっかけとなって自分が使っている部屋の中の模様替えをすることになり、それが引き金となってクローゼットの中も見直す羽目に。
 そんな時、子供の部屋で使っている金属製衣装ケースが劣化や錆で使い難くなっていたので、「じゃぁCD整理用と合わせて衣装ケースを買おう。」随分前にCDを整理して以来ケースは増やしてなかったが、今回遂に増やすことになった。

 今使っているのと同じ衣装ケースを探したが、既に廃番らしくて何処にも無い。
現在使用中のリス・クレイヴのケース
改めてネット上で色々と比較して、アイリスオーヤマのロングチェストMG-7423Wを選んだ。やや価格の高い部類に入るけれど、レールが金属で滑らかに動くというのが魅力だ。CD枚数から考えると3つ必要になるけれど、更に子供の分も含めて4個のセットを仕入れた。


自宅に届くと、流石に大きい。
ロングチェスト4個が入った段ボールは大きい
段ボール箱から取り出すと、色が白いこともあって案外大きさは感じない。
irisロングチェストmg-7423wの4個セット
早速3個をクローゼットにセットする。
ロングチェストをクローゼットにセットしたところ
せっかくなのでアーティスト順に並べ直したが、枚数が多いので結構時間が掛かった。
アーティスト順に並べ替えたCD
手近にあった段ボールを34.5×14cmに切り出して仕切り板にする。
段ボールで作ったCDの仕切り板
CDを片っ端から詰め込んで行く。
ロングチェストにCDを収納したところ
一番奥にCD一列分入る余裕はあるものの、完全には引き出せないので入れても取り出せない。ちょっと残念だが、収納は4列までとなる。
 CD全てを収納すれば作業は完了である。3段目はかなり空きがある状態なので、まだ増えても大丈夫だ。

 これで部屋の中が随分スッキリとした。でも、欲しいCDはまだ300枚以上あるんだよなぁ。(汗)

またまたエレキギターの手入れ [音楽]

 テレキャスターの手入れをした後、随分前に入手したL-6Sコピーモデルと並べたら、どうもL-6Sが古色蒼然としていて情けない感じがしてしまう。
古色蒼然としているL-6Sコピーモデル
画像で見る分には判らないが、肉眼で見ると全体的にくすんでいて「いかにも古い」と感じられるような状態である。
 「でも、どうして古びてるように感じるんだろう?」と全体を眺めていて「そうか、フレットが鈍く光る程度だし、ボディ全体に艶が無いな。」思い立ったが吉日、早速作業に取り掛かる。弦は入手直後に交換してあって錆びていないし、張り具合にも問題は無いので、弦は張り替えないことにして作業する。

 まずは一番面倒なフレットから作業を始める。
L-6Sコピーのフレット
フレット表面が薄く錆びているだけかと思ったが、よくよく観察するとフィンガーボード(指板)も艶が無いので、どちらも液体コンパウンドで磨く。12フレットから24フレットまでを磨いた時点で比較すると、こんな感じ。
12フレット以上だけを磨いたところ
磨いていない部分は何となく艶が無く、フレットの光具合も鈍いのに対し、磨いた部分は奇麗でフレットも輝きを取り戻している。
 フレットを磨く際に弦を緩めてスタッドボルトも抜いたので、ついでにアンカーも磨く。左半分が磨き終わり、右半分は未だの状態である。
左半分だけを磨いたアンカー
ここはボルトに隠れて見えなくなる部分だが、金属面が濁っているとやっぱり放っておけないのだ。
 古い物だけに、樹脂製ノブも表面が細かい傷で濁った感じになっている。
細かい傷で濁ったように見える樹脂製ノブ
これもコンパウンドで磨くと、深い傷は取り切れないものの、かなり奇麗になる。
樹脂製ノブをコンパウンドで磨いたところ
ボディ全体もコンパウンドで磨く。深い傷は取り切れないが、かなり奇麗になった。
ボディ表面をコンパウンドで磨いたところ
弦を外さずに作業したのでペグやヘッドはかなり梃子摺ったが、なんとか元通り弦を張り直して完成である。
手入れが終わったL-6Sコピー
画像では違いが殆ど判らないが、肉眼ではかなり奇麗になって一寸若返った。
 コンパウンドで何処を磨いても薄茶の汚れのようなものが布に付いたので、どうやら全体的にタバコのヤニが付いていたらしい。全所有者は相当なヘビースモーカーだったんだろうなぁ。

 拙者が知らないだけなのかも知れないが、国内ではこのギターに関する情報はとても少なくて判らない部分が多い。
Crestwoodのロゴマーク
「Crestwood」は当時輸出企業だったイバニーズ(今のアイバニーズ)がフジゲンに委託して作っていた楽器ブランドらしい。
 ネット上を探ると、Crestwoodという楽器ブランドは1960年代から存在しており、初めは米La Playa Distributionが手掛け、その後グヤトーン 、イバニーズ、カワイがそのブランド名を使っていたらしい。国内ではその楽器類を見かけることはないが、米国では数多く販売されたらしくて、ネット上でも容易に見つけることができる。
 2年ほど前、これと全く同じ物が米ミシガン州の楽器店から売り出されていて、その説明には「イバニーズとフジゲンが1970年代に製造した、L-6Sを完璧にコピーした日本製のギター」と紹介されていた。但しその年代だと、財閥解体の影響で誕生した木曾鈴木バイオリンが製造という可能性もありそうだ。
 因みに、木曾鈴木バイオリンは二光通販で有名になったTOMSONブランドのギター製造なども請け負っていたが、1980年代後半に工場や保管していた材料をESPに譲渡して消滅したらしい。TOMSON末期のストラトはボディがべニア合板製の物もあったそうだから、末期はかなり困窮していたのかも知れない。

 このギターを細かく見ると、ボディはトップがメイプルのセンターマッチングの2ピース、バックが3ピースのハードメイプルである。ボディ側面から見ると、ピースの接合部が良く分かる。
ボディ側面から見たところ
ネックもメイプルの3ピースで、セットネックだ。
メイプルネックは3ピースでセットネック
ヘッドは足りない部分を左右とも同じメイプルで継ぎ足している。
ヘッドは継ぎ足しヘッド
前面はL-6Sそのもので、ピックガードの刻印までもが克明にコピーされている。
ボディ前面を見たところ
前所有者がビグスビーアームを取り付けていたようで、ネジ穴を埋めてある。
 背面も、コンターを含めて忠実にコピーされている。
ボディ背面を見たところ
背面のパネルを外すと、驚いたことにスプリットコイルを含めた内部の回路までもが忠実にコピーされている。
内部の回路見たところ
ポットの刻印から1975年頃の製造だと思うが、確証はない。
 本家に対して忠実にコピーされており、その本気度が伝わって来るようだ。当時はマイナーなモデルまでもが忠実にコピーされて売られていた時代で、他にもL-5Sのコピーとかハワードロバーツのコピーなんてのもあったらしい。

 ここまでで丸一日掛かってしまったため、専用ハードケースの方はまだ手を付けていないけれど、そちらもそのうちに奇麗にしてやろう。
メッセージを送る