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ベース用ヘッドフォンアンプとLM386 [電子回路]

 楽器類の練習は滅多にやらないのだが、昨日雨が降っていたので久し振りに「ベースを弾いてみよう」と思ってケースから出してきた。練習で使うアンプはC-TECHの「Pocket Rock It BASS」だ。
IMG_8345.JPG
ヘッドフォンタイプで、電源は006P(9V乾電池)である。ヘッドフォンアンプは、エレキギター向けのモデルは色んなメーカから出ているけれど、電池駆動のお手軽なベース用は珍しい。
 ちなみに、このモデルは既に生産を終了しているけれど、後継機種が販売されている。C-TECHは現在国内に代理店が無いので、入手は一寸面倒かも知れない。

 弾き始めて少し経った時、机の上にあった紙を何気なく見たら、先日作った9V電池充電用の回路図だった。「あっ、これはきちんと紙にまとめておかないと分からなくなっちゃうなぁ。」
 とりあえず近くにあったA4の紙に手書きで書き写し、自作の回路図を入れているファイルに綴じようとしたら、今度はLM386を使った回路図が目に入った。
LM386のアンプ回路図
「そういえば、データシートの"Bass boost"が気になってたんだっけ...。」
 20分ほど弾いて「相変わらず下手だなぁ。(溜め息)」と弾けないことを確認(!)し終わったので、「ついでに試してみよう」と、部品箱を出してきてブレッドボードに組んだ。
ブレッドボードに組んだLM386アンプ回路
LM386の出力とスピーカの間にはコンデンサが入るけれど、このコンデンサの容量でも音質が変わる筈なので併せてテストすることに。LM386は別の回路で使っていて手持ちが無いが、代替IC(多分セカンドソース品)が何故かあったのでそれを使う。
LM386の代替IC

 下の画像はLM386のデータシートに載っている回路図を抜き出したものだが、10kΩと0.033μFのたった2つの部品でBass boostを作り出している。
LM386のデータシートにあるBass boostアンプ回路図
まずはこの通りに組んで音を出してみたら、「まぁ、普通の音だよねぇ。」
 次に、Bass boostの部分だけを取り払って単純なアンプにしてから音を出すと「ん?あんまり変わらないぞぉ。」

 Bass boost有りの時はホワイトノイズの高音成分が大幅に削減されて耳障りな音では無いけれど、Bass boostを外しても低音域はあまり変わらないように感じる。
 その時使ったヘッドフォンが百円ショップで買った音出しテスト用のイヤホンタイプだったので、念の為にHD800でも入念に音をチェックしたが、やっぱりあまり変わらない。強いて言えば、Bass boost有りの方がほんの少し低音が多い。これは低音を強調したというよりも、負帰還で高音域を少し削っただけという方が表現としては合っていると思う。

 次に、出力側のコンデンサ容量を変えて出力がどれ位違うのかを見る。測定の音源がベースだとやり難いので、久し振りにファンクションジェネレータ(画像真ん中の機器)を使う。
我が家の測定器が勢揃い
ついでに、しばらく使っていないデジタルオシロスコープ(上の機器)も出してきた。我が家の測定器が勢揃いである。(笑)
 データシートでは250μFが使われているけれど、国内では220μFの方が一般的なのでそれを使う。
 LM386に限らず、出力側のコンデンサは最低でも2200μF程度の容量が無いと低音域が削れてしまうけれど、そんな大きなサイズは持ってないので、手元にあった220μF等を複数使って2200μFにした。
テストに使ったオーディオグレードの電解コンデンサ10V220マイクロファラッド

 40Hz正弦波をファンクションジェネレータから出してLM386の回路に入れ、出力側コンデンサの容量を変えて波形を見比べる。上の波形が入力、下の波形が出力だ。
出力側コンデンサの違いに依る波形の違い
大雑把に比べると、220μFの方が-0.7dBほど出力が低く、実際に耳で聞いても低音が少し軽く感じられる。たかが-0.7dBであっても、低音域での差は意外なほど大きく感じられるのには少々ビックリ!であった。
# オーディオマニアでなくても、十分違いが判るレベルです。

 更に、入力と出力の位相差を計測してみた。測定時の出力側コンデンサは2200μF、接続したヘッドフォンは百円ショップの物である。
周波数毎の位相差
リサージュ曲線を見る限りでは位相差はかなり小さいし、周波数によっても殆ど変化していない。

 簡単なテストだったが、LM386の能力の高さには改めて驚いた。室内用オーディオなら、わざわざ市販品を買わなくても、このICだけで十分以上の音を出せそう。
 このICを使ったミニギターアンプなどはあちこちで製作記事が出ているけれど、実際に音を聞いてみると「一寸作ってみようか」という気にさせられる。いやぁ、面白いICだねぇ。

 それに対して、Pocket Rock It Bassはベース用だけあって、流石に音はLM386の回路よりベースらしい音になっている。決して高価な製品ではないけれど、その実力は結構高い。普段は全然気にしていなかったけれど、改めて見直したぜぃ。(笑)
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MINERVA

このデジタルオシロ、懐かしいです。
前職で使用しておりましたが、使い勝手が良かったです。
しかし、ご自宅に多くの測定器を所有とは.... 凄いですね。
いつも記事を拝見しては「凄い」の言葉しか出てこないですよ。
by MINERVA (2017-04-12 17:50) 

みうさぎ

うん 再認識出来て良かったねっ(^◇^)

by みうさぎ (2017-04-12 18:35) 

Rifle

MINERVAさん
おやおや、使われていたんですか。
測定器は全て格安中古で、技術の無さを測定器でカバーしてます。(笑)


みうさぎさん
そうそう!小さな部品ですけど「ICはやっぱり偉大だぁ」と。
by Rifle (2017-04-12 21:12) 

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